(鉄筆)自己肯定感……

 もはやこれは日本人特有の性質なのか。日本財団がこのほど発表した日本、米国、英国、中国、韓国、インド6カ国の17~19歳の若者に対し行った調査結果に対する感想である。「自分には人に誇れる個性がある」や「自分は他人から必要とされている」など自己肯定感に関する項目で、わが国の若者は参加国中最下位の結果であった。

 自己肯定感や自己有用感に関する国際比較調査は長年行われており、わが国の若者は常に今回と同様な結果であった。例えば2012年に日本青少年研究所が行った調査で「私は価値ある人間だと思う」と答えた日本の高校生は39.7%で他の参加国(米国、中国、韓国)に比べ最下位であった。逆に「私はだめな人間だと思う」は83.7%で1位で、2位の米国の52・8%とは大きな差があった。

 この自己肯定感の低さがいじめや不登校の要因ではないかと指摘され、学校をはじめ関係機関はこれまでにも自己肯定感の育成にかなりの労力を割いてきた経緯がある。それでも冒頭の結果である。

 わが国の若者の自己肯定感の低さの原因究明は識者に譲るとして、大切なことは子供たちに自信を持たせる指導をどうするかである。もちろん学校だけに頼ることは無意味だ。この実態を家庭をはじめ社会全体で認識し、危機感を共有した上で、それぞれの分野で方策を考え実行していく必要がある。

 方策のキーワードは「伸ばす」ではないか。全ての人間には素晴らしい能力が生まれながらに存在していることを共通理解し、それを引き出す指導が、今まさに求められている。

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