(鉄筆)ICT機器導入による負担増……

 3月、本紙が全国の学校関係者に対し行ったアンケート調査結果で、1人1台端末の導入により6割の教員・管理職が授業や校務の負担増を訴えていた。これまでも学校現場ではビデオやパソコンなどの導入時には同じような混乱があり、ある程度の時間が経過することで徐々に整理・解消していく自然淘汰の原理が働いていた。今回もそうであるよう願いたい。

 しかし、今回のアンケート結果で気になるものもある。1人1台の端末を使う時に教師主導の授業スタイルの教員の負担が増え、逆に児童生徒主導の方が負担が減ったという結果である。児童生徒主導の授業を数多く実践してきた人間からするとこの結果のさらなる詳細を知りたい。

 なぜなら、児童生徒主導の授業とは彼ら一人一人の活動に対する複数回の教師の評価(助言)活動が伴うため、教師主導の授業よりも教師の負担が大きいのが常であるからだ。ICTの導入により児童生徒主導の授業の負担が減ったとは思えない。

 敗戦後新設された社会科では児童生徒主導の授業が求められたが、世間からは「はいまわる社会科」と揶揄(やゆ)され学力低下を招いた。総合的な学習の時間もしかりである。それは児童生徒主体の活動に教師の評価活動が伴っていなかったからとの指摘がある。

 「主体的・対話的な学び」を「深い学び」につなげる鍵は教師の評価活動にある。その評価活動もICT機器が行ったのであれば納得するが、「それでいいのか」という考えもよぎる。やはり教育には教師の目と手が欠かせないことを忘れてはいけない。

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