社会科が好きになる授業づくり入門

北俊夫 著
文溪堂
1320円

 社会科の授業を参観・観察するたびに「授業にどこか物足りなさを感じます」と不満を覚える筆者が、「授業にハラハラドキドキする場面があっても良いのではないか」と新しいスタイルを提案する。

 序盤から「『よい授業』の要件とは何か」という本質的なトピックで始まり、授業中の子供の何気ないつぶやきや細かい表情の変化にアンテナを張ることの必要性を論じる。さらには、子供に自由に考えるように促すも、結局は教師自身に都合の良い答えしか許容しない雰囲気を醸成することの問題点を挙げるなど、教師には耳の痛い指摘が続く。社会科の授業運営以前に、教師としての心構えを見直すことができるだろう。

 中盤以降は社会科の授業づくりにおけるポイントをまとめる。白地図やDVDなどの教材を活用したマンネリ化しないための授業スタイル、成績ではなく学力を付けるための評価の付け方を示す。他にも、「『資料を見て、何でもいいから、気づいたことを発表しましょう』では、あまりにも乱暴です」といった授業中に気を付けるべき指導についても丁寧に触れる。書名に「入門」と入ってはいるが、入門書ではなく読み応えのあるテクニカルな内容が詰まっており、とても実践的である。

 社会科は好きでも嫌いでもないと考える子供は多く、地味な教科と言えるかもしれない。しかし、読了後には社会科がいかに面白くアクティブな教科なのか、その可能性の高さを感じさせられる。

 

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