AIと人間の学び 壁の向こうで答えているのはAIか人か?

赤堀侃司 著
ジャムハウス
1870円

 AIをテーマにした本はさまざま出ているが、本書はAIと人間のそれぞれの特性をよく理解し、教育現場において伸ばすべき子供たちの能力について論じた本である。

 AIと人は何が異なるのか、何が共通するのか、そもそもAIは知能を持っているといえるのか。教育工学が専門の著者はこれらの疑問を明らかにするため、大学生60人に対してチューリングテスト(壁の向こうで受け答えをしているのが、AIか人かを判断する思考実験)を行った。AIと人の受け答えを対比させて分析したところ、浮かび上がってきたのは、いかにAIはAIらしく、いかに人は人らしいか、ということである。

 例えば、人間は常識という知識を持ち五感全てを使って情報を受け取ることから、連想する、言葉を補完する、関連付けるなどの能力を持ち、意味を見いだす思考ができるという特性をもつ。また、いろいろな出来事を自分事として捉えることから相手に共感できるのもAIにはない特性である。

 本書の狙いは、AIと人間の特性を理解した上で、人間の素晴らしい面をより良く育てるための学びに生かしていくことである。最終章「AI時代の学習方法」で、「関連付ける」「疑問を持つ」「共感する」「デザインする」「やってみる」「メタ認知を促す」「見方・考え方を身に付ける」という7項目を掲げ、学校現場における学習のヒントを提示している。

 

 

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