
図書文化社
1980円
「こうしなさい」と命令するよりも「どうしたいの?」と問い掛ける方が効果的であることは自明の理。〝主体的・対話的で深い学び〟の実現が求められる昨今、子供の潜在能力を引き出すために不可欠な営みとして問い掛けの重要性を紹介する。
6つにチャプターが分かれており、「緊張しても実力を発揮できる問いかけ」や「悩んでいる心が軽くなる問いかけ」「生徒指導を効果的にする問いかけ」など、シチュエーションに応じた問い掛けを記す。宿題をやってこないケースだけでなく、失恋したケースでの問い掛けも網羅されており、全学年の子供に寄り添うことができる。
また、基本的には「どんな言葉を言うと落ち着きそう?」「つまずくのは前に進んでいる証拠だよね?」といったクエスチョンに回答していく一問一答形式。さっと読めるため、子供の状況に適切な問い掛けを行う、という辞書的な使い方ができる。
さらには、各チャプター内に載っているコラムにも注目したい。メンタルトレーナーの筆者が、実際にいじめ被害者や不登校児と接した際の様子がつづられている。ちょっとした問い掛けではあるものの、子供が立ち直ったエピソードを見ると、道を示すことよりも、時には思いを引き出すことの重要性に気付く。
子供と携わる人だけでなく、部下を持つ管理層にとっても金言が記されている。