(鉄筆)「一人十色」を重視……

 新型コロナウイルス感染者数が下降線をたどっている。このまま0(ゼロ)に向かってほしい。入学式が校庭での実施だった子たちが3年生になり電車に乗って初めての遠足へ。その喜びはひとしおだった。学校も活気を取り戻しつつある。子供たちの健康状態についてはさまざまな課題が報じられているが、元気で笑顔で走り回る子供たちに戻ってほしい。

 学びの状況はどうか。足踏みしていた「主体的・対話的で深い学びの実現」の取り組みは進展しているか。「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」の取り組みは始まっているのか。個別最適な学びの実現には、これまで以上に子供一人一人について理解を深めることが求められる。

 鹿毛雅治著『モチベーションの心理学―「やる気」と「意欲」のメカニズム』(中央公論新社)の中で、著者は「モチベーションは『十人十色』である」とともに「一人十色」を重視している。「個人の内側に見られる『多面性』にも着目する必要がある」「一人の個人の中にも複数の性質がある」ことを強調、やる気や意欲にも当てはまるとしている。

 子供の個性や他者との違い、特性を把握するだけでなく、その子の内側にもいろいろな面があり、目立つ一面だけを見ていると本当の子供の姿が見えなくなると言うことか。

 一人十色、それぞれにどんな面や特色があるのかを見ようとすることで、子供の姿・見え方が変わってくる。それが子供一人一人の可能性を引き出し、学びの深まりにつながることを願う。指導の個別化、学習の個性化の大切な視点としよう。

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