(鉄筆)給付金事故……

 ある自治体が、新型コロナウイルス対策のための給付金を各家庭に10万円ずつ配付するところを、誤って1人に給付金の全額を振り込んでしまった事故が報道された。振り込まれた大金が短期間でオンラインカジノに使われたという報道に注目が集まった。本来なら提出する必要のない書類を銀行に提出したことが原因であったことは、あまり報道はされなかった。

 別の自治体では、私立認可保育所に4年間、補助金を過大に支給していたことが報道された。保育所の規模によって、保育所が雇用したパート職員の人数に応じた補助金が決められていた。しかし自治体の職員が作成した入力ファイルにミスがあったため、事故が起きた。

 2つの事故に共通しているのは、職員が1人で当該の職務を遂行していたことだ。担当者に「気を付けろ」と促すだけでは、再発を防止することはできない。「人間は誤りを犯すものだ」ということを前提に、個人の弱さを組織として補強するシステムを作ることが求められる。

 小規模校では、担当の教員が1人で職務をしなければならないことも多い。外部に情報を出す場合は、特に注意が必要だ。多くの学校では事案決定規程などを定め、それに基づいて複数の教員が点検するようになっている。その確認は確実に行われているか。

 担当者から提出されてきた文書の確認を怠ると、確認にかける時間や労力を上回る後始末が必要になるだけでなく、学校に対する信用失墜も生じる。自校のシステムとその実施状況を点検し、必要に応じた見直しを図ることが大切だ。

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