(鉄筆)高校教員の長時間労働で……

 大阪府立高校の教員が長時間労働で適応障害を発症したとして大阪府に対し損害賠償を求めた裁判で、大阪地裁は原告の請求を認め大阪府も控訴しない方針を明らかにした。教員の働き方改革が叫ばれる中で注目の裁判であったが、今回の判決により全国で長時間労働に苦しむ教員たちから同様の訴訟が出る可能性もある。

 訴えを起こした教員は教員経験10年で、現任校で学級担任のほかラグビー部の顧問を務めていたが、2017年の夏にオーストラリアで行われる語学研修の引率も任された。引率前にすでに体調を崩し、校長に対し休養の必要性を訴えていたが校長は具体的な措置を取らなかったという。間もなく同教員は適応障害を発症し、帰国後4カ月半の休職を余儀なくされた。

 判決理由で注目されるのは、語学研修引率1カ月前の時間外労働時間が過労死ラインを上回る100時間以上であったこと、本人からの訴えが再三あったにも関わらず校長が事実上何もしなかったことである。

 学校を預かる校長は子供だけでなく教職員の命も守るといった健康管理意識を持つことを改めて教えられた判決であった。教職員の健康管理については、毎日の出退勤記録のチェック、業務の内容および他職員とのバランス、定期的なストレスチェックのほか、気になる教員への面談も必要だ。

 敗訴した大阪府の吉村洋文知事は教員の業務負担軽減に尽力し教員が教育活動に専念できる対策を取ることを表明しているが、行政が行うべきこと、管理職が行うべきことを他の自治体および管理職も見直すべきだ。

あなたへのお薦め

 
特集