人間教育の道 40の提言

梶田叡一 著
金子書房
2970円

 本書は、自己意識、教育評価を探究し、教育の本道を求め続けてきた心理学者である著者が、人間的な成長・成熟を実現する「人間教育」についてまとめた教育論である。

 「人間教育」における重要なポイントとして、「自分なりの花を咲かす人に」から始まり、「自己の主になるために」「本物の自信とプライドを」「内面世界へのこだわりを」「知的な<渇き>を」「学びへの<促し>を」「基盤となる言葉の力を」「概念・根拠・論理へのこだわりを」「真の道徳性を」「生命の重さの実感を」「日本の伝統・文化を学ぶ」「空と他力を学ぶ」「育成すべき不易の人間力とは」――など40の提言を行う。

 著者は、「人間教育」こそが教育の歩むべき本道であり、教育の最終的な目標は、一人の人間として自立し、世の中を生きる力と自らの人生を生きる力とを身に付けることだと指摘する。そしてその成果は、主体的に、深く豊かに生きることができるかどうかで確認されることとなる。具体的には「強靭な主体性の確立」「深い共感協働性」「本源的自己への立脚」の3点を最も重要な資質能力として挙げている。40の提言はいずれも平易で読みやすい。教育を仕事とする人だけでなく、教職志望の学生、子供を育てる親など幅広い人たちに手に取ってもらい、人間的な成長・成熟とは何か、どのようにすれば人間的成長が実現するかを考えるきっかけとしてほしい。

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