個別最適な学び・協働的な学びの考え方・進め方

加藤幸次 著
黎明書房
2420円

 一斉教育に疑問を呈し、〝個別最適な学び〟と〝協働的な学び〟をキーワードに、グローバル化する世界に適した学習を探究する一冊だ。三部から構成されており、第1.部は教師が子供の特性を生かしたきめ細かな指導を行い、指導目標を到達させる〝指導の個性化〟、そして子供の持つ個性を育てる「学習の個性化」を解説。まずは、それぞれの原型になったアメリカやイギリスで実施されるようになった歴史的な背景を振り返る。

 第2.部では、筆者は「一人ひとりの子供の能力・適正に合わせた指導をすることがより平等ではないかというわけです」と一斉学習に違和感を示す。一斉学習と呼ばれた背景について、「異質なものを排除する根強い態度があり、〝出る杭は打たれる〟文化があるのではないかと考えられます。多様性を重視するという姿勢はありません」と厳しく分析する。

 そして、「個に応じた指導」を実現するための10の学習プログラムを提示。「反転授業」「小グループ学習」「自由研究学習」といった段階ごとの留意点をまとめ、Society5.0時代にふさわしい授業づくりを提案する。

 第3.部は地球温暖化やマネー資本主義など、現代的な諸課題に対応するための〝生きる力〟を子供が育むための教育の在り方を、学習指導要領を引用しながら詳述。学校現場を俯瞰(ふかん)しながらも実践的な方法論も記されており、教育関係者であれば一度目を通したい。

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