(鉄筆)「現役引退」の大きな文字……

 「現役引退」の大きな文字が目に入った。フィギュアスケートの羽生結弦選手だった。今後は競技会には出場せず、アイスショーなどに出演するプロスケーターに転向する。現役引退というよりは「競技引退」と言うことらしい。その証しに「これからも4回転半を含めて挑戦し続ける」と宣言した。

 「羽生結弦らしく全力でスケートし、全力で努力を続け、全力で結果を求めていきたい」と抱負を語った。

 2010年ジュニアの世界選手権に15歳で優勝。11年には仙台市で練習中に東日本大震災被災、避難所生活を経験。競技を続けるか悩んだが、全国のアイスショーを回って練習を続けた。12年3月の世界選手権で3位。当時、滑り終わるとリンクに倒れ込む姿をよく目にした。

 14年のソチ五輪は初出場でわが国男子初の金メダル。直後の世界選手権埼玉大会で初優勝。この間12~15の4年間全日本選手権4連覇、都合6回優勝。わが国だけでなく世界中が応援し、個性的な表現でそれに応えた。期待は18年の平昌五輪での66年ぶりの五輪連覇。ところが直前に右足首をけがした。その瞬間をテレビで見て「こりゃ、駄目だ」と思っていたら、不死鳥のごとく復活し、堂々としたかつ美しい演技で見事に金メダル。五輪2連覇を果たした。

 震災後の被災地支援継続も含め、個人として最年少の23歳で国民栄誉賞を受賞した。最後の北京五輪は4位だったが、史上初のクワッドアクセルが認められた。競技は引退するが現役は引退しない。今後どのように進化し開花するのか楽しみに応援しよう。

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