(鉄筆)2016年06月30日

静岡県吉田町教委が6月18日から、小・中学生の基礎学力定着や学習意欲を引き出すために、個々の弱点に応じて教諭らが支援する「公設学習塾」を開設した。町立吉田中学校を拠点に、来年2月までの11回、プリント学習などを通じて苦手分野を克服していく。児童生徒約250人が参加している。

学習教科は、中学生が数学と英語、小学生が算数。児童生徒2~5人に講師1人(元教諭や大学生)が付き添って指導。中1の1人は「先生が一緒に付いてくれるので何でも質問しやすく、分かりやすかった」と感想を述べている。(静岡新聞ほか)。

「公立学校で学習塾か」と感じる教育関係者は多いかもしれない。学習塾が少ない地域では、このような公設学習塾の開設は自然の成り行きとの受け止め方もある。同町では、平成26年度から全国学力調査に合わせて町独自の学力調査を実施している。26、27年度は児童生徒が宿題を持ち込む形の「土曜学習会」を開くなどの実績を積み重ねてきた。その延長線上にあるのが、この公設学習塾だ。

確かにこの学習塾は、民営の学習塾とは異なる。だが、児童生徒個々の学習状況に応じたプリント学習は、民間業者(同町はベネッセと提携)の教材を利用しているので、「完全公設」とは言いがたい。

この「公設学習塾」の立ち上げが近隣の町などに波及するかは予測できないが、単に学校周辺に民間学習塾が不足しているからやむを得ずというのでは、何のためか疑問に思う。学校そのものに、学力保障の力を回復させるのが先決ではと思うのだが、いかがか。

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