ネット利用が生活習慣に影響 神奈川の4県市が小・中・高校生に調査

2014年10月27日号掲載

 長時間ネット利用の子どもに「睡眠時間が短い」「朝食を食べない」傾向――。神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市はこのほど、4県市合同で行った同県内の小・中・高校の児童生徒を対象にした「子どもたちのネット利用に係る実態調査」の結果を発表した。ネットを長時間利用する子どもに、課題が見られることが明らかになった。

高校生の9割はスマホを所持

 調査は今年6~7月、横浜市、川崎市、相模原市の3政令市の小学校5、6年生3980人、中学校1~3年生6506人、県立高校1~3年生2765人、合計1万3251人を対象に実施された。

 結果を見ると、96・6%の子どもがインターネットに接続可能な情報端末機器を所持、ほとんどの子どもが何らかの形でインターネットにつなげる環境にあることが分かった。

 端末機器の種類別の所持率は、ゲーム機59・8%、スマートフォン52・5%、パソコン43・0%、携帯電話33・8%など。校種別のスマートフォンの所持率は、小学生29・1%、中学生50・8%、高校生90・2%。小学校高学年で3割が所持し、高校生に至っては所持しているのが当たり前のようになっていることが分かる。

 これらの情報端末機器の利用方法で最も多いのは、「友達・家族の連絡」78・7%。次いで、「ゲーム・占い」63・1%、「趣味の調べもの」57・4%、「音楽・読書・動画」57・1%、「友達・家族のおしゃべり」55・0%、「撮影・画像作成」52・0%などがいずれも高い数値で続く。勉強に関連する「学習などの調べもの」は44・2%であった。男女差が目立つのは、おしゃべりなどのコミュニケーション関係や写真関係は女子が多く、ゲームは男子が多い。

ルールがないと利用時間が長い

 1日の利用時間で多かったのは、「1時間以上2時間未満」20・4%、「5時間以上」20・9%であり、ほぼ同じ数値であった。全体では、3時間未満の利用者が約6割を占めた。5時間以上使用する者は、おしゃべりやゲームなど娯楽に利用する傾向が見えた。

 利用のルールの有無を聞いた問いで「家庭で決めている」は、小65・9%、中44・5%、高25・8%で校種が上がるとルールがなくなる傾向。全体では、46・9%であった。「友達同士で決めている」が、小と高では1%未満なのに対し、中で9・9%と1割近いのが目を引く。

 ルールの有無と利用時間の関係を見ると、ルールのあるグループよりルールのないグループのほうが長時間利用する傾向が見られた。「5時間以上」の62・6%はルールを設定していなかった。

 朝ごはんの食べ方、睡眠時間など生活習慣と端末機器利用時間との関係性も調べている。端末機器を3時間以上利用している者の73・4%が「睡眠時間5時間未満」。逆に端末機器利用3時間未満の者の59・6%が「睡眠時間5時間以上」。夜間に寝ないで端末機器を利用している、という子どもの姿が浮き彫りにされた。

 また、「家族と朝食をとる」は、端末機器利用3時間未満が64・1%、利用3時間以上が35・9%。「朝食は食べない」は、利用3時間未満が30・3%、利用3時間以上が69・7%。利用時間が、生活習慣に何らかの影響を及ぼしていることが示された。

 困ったり悩んだりした時誰に相談するかの問いで、「相談する人がいない」「相談する勇気がない」は全体で5・9%。「ネット上で相談する」は、2・0%であった。

フィルタリングの利用は4~5割

 ネットを利用して怖いと思うことは、全体で「個人情報の流出」21・4%、「友達とのトラブル」16・9%、「架空請求・高額請求」16・5%などが多く上げられた。「怖いことがない」は6・3%で、9割以上の子どもがネットの危険性を知っているという結果となった。

 フィルタリングについて、「フィルタリングで怖いことは防げることを知っている」は、小52・7%、中71・2%、高82・5%、全体68・0%となっており、その有効性は認識している様子。しかしながら、4~5割はフィルタリングを設定していなかった。

 この調査は、4首長懇談会の合意に基づき設置された「子どもネット依存に係る検討会」が実施したもので、調査結果から、子どもたちのネット依存予防に向けた効果的な取り組みとして、次の5点をあげている。

 (1)長時間利用と依存傾向との分析(2)親子の良好なコミュニケーションづくりと生活習慣改善の啓発(3)利用のルールづくりとその啓発(4)インターネットだけを居場所としない、子どもが相談しやすい環境づくりの考察(5)保護者と子どもへの継続的なICTリテラシーの啓発  報告書は、ウェブサイト(http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/201410/images/phpmGVAci.pdf)で閲覧可能。