同一障がい種でパートナーシップ ICT機器の効果的な活用など情報交換

2014年12月1日号掲載

特別支援学校機能強化モデル事業を公表 文科省

文科省は、平成25年度特別支援学校機能強化モデル事業の成果報告を公表した。青森・岩手・秋田の3県と鳥取・島根の両県での取り組みを紹介する。

島根県・鳥取県  
同一障がい種でパートナーシップ ICT機器の効果的な活用など情報交換

 島根県・鳥取県においては、視覚障がい教育、聴覚障がい教育、病弱・身体虚弱教育の特別支援学校が、各県1校または2校と教育的資源が少なく、同一障がい種別ごとの研究会や交流および共同学習での学校間の取り組みは、これまでも行われていた。  しかし両県は隣県同士ではあるが、東西に長く位置し、同一の障がい種の特別支援学校は離れた場所にあるため、日常的な情報交換や特別支援教育の専門性の向上に向けた広域的な取り組みはなされていないのが現状であった。

 視覚障がい教育、聴覚障がい教育特別支援学校では、幼児児童生徒数が減少傾向にあり、それに伴い各校の教員数だけでなく、専門性をもった教員が少なくなっており、専門性の向上や継承への不安を抱えている。

 病弱教育特別支援学校においては児童生徒の障がいの状況が変わりつつあり、多角的な視点での指導の在り方について検証が必要になっている。

 このほか、ほとんどの特別支援学校でICTの効果的な活用について研究が進められているが、個々の教員によって指導方法等の知識や理解には差があり、実践に結びつかないといった課題もある。

 このような状況の中、これまでも関わりがあった島根県・鳥取県の特別支援学校が、これまで以上に連携を図りながら、それぞれの課題に取り組むことは重要である。

 以上のことから、島根県・鳥取県の同一障がい種校をパートナーシップ校とし、両県のパートナーシップ校同士がテーマに基づいた研究を行うことでネットワークを構築し、あわせて障がい種ごとの専門性の向上を図ることを目的として取り組むこととした。

 両県のパートナーシップ校が、連携を深め、ネットワークを構築する上で、両県の取り組むべき今日的課題としてICTを活用した教育(タブレット端末等の効果的な活用)があがった。

 このICTを活用した教育の方法について、パートナーシップ校同士が、研修会や日々の実践等を通して研究を進めた。ICTの効果的な活用に向けた研修会等は活発に行われ、研修会や情報交換会等の機会を利用して、パートナーシップ校同士の教員が互いの学校を訪問し、タブレット端末を活用した教育実践の報告や意見交換を行うことができた。

 また、このような研修会の場を通して、研究で取り組んでいる内容以外にも日々の実践や各障がい種の学校が抱える課題等の情報交換を行うこともできた。

 ICT活用に関する研修やパートナーシップ校同士の情報交換により、ICT活用に対する教職員の理解と意識が向上し、授業への活用に広がりはじめた。

 パートナーシップ校同士の研修会や情報交換会は効率的な情報共有の機会や場となった。

 ICT機器活用についての情報交換だけでなく、教育相談や教育課程、日々の実践に関する情報交換などが行われた。

 今後は、パートナーシップ校同士の連携の一層の充実を図る、ICT活用の研修を授業実践へと推進していく、パートナーシップ校間での新たな課題(病弱特別支援学校における心身症等の生徒支援についてなど)や研究テーマに取り組むことが課題となっている。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)