連載 科学的な思考力を高める理科授業 第10回 衛星データを活用した地域学習

2015年2月2日号掲載

 「あった。発見!」「お~」「お~。見にくいじゃん」「どっちいく?」「上流、上流!」「上流?あったあった(マウス操作で上流に向かう)」「3Dやろう」「はいオッケー」――。

 これは、「グーグル・アース」を活用して小学校5年生に「流れる水のはたらき」で地域の川を観察させた場面の子どもたちの会話です。

 グーグル・アースは、アメリカのGoogle社が開発したデジタル3D地球儀でコンピュータ画面で自由に操れます。インターネットのホームページ(http://earth.google.com/)から無料で入手でき、見たい場所を任意の尺度で表示したり、立体的かつ写実的な画像を見たりすることができます。

 「流れる水のはたらき」の学習では、関心意欲の向上や地域の大地の成り立ちを知るために近隣の河川を用いた学習を進めることが多いです。しかし、地域に川がないため地域学習が成立しないことや、川があっても安全面や移動時間の関係上、上流、下流を観察することができない学校が多いことが実態です。そのため、市販の掛け図やビデオ教材を利用した地域の川とは異なる学習をしてしまい、学びの連続性が保証できない学習となってしまいます。

 グーグル・アースを利用すると、子どもたちは巧みにコンピュータを操作して地域の川について学習をしていきます。操作を繰り返す中で、学校の脇を流れる川の上流と下流の違いにも気づいていきます。

 「学校へ行こう(画面を学校に移動する)」「上流はこっちだ(画面を上流に移動する)」「次は、下流行こう。下流(画面を信濃川下流に移動する)」「(下流の川幅を見て)上流よりでかい!」「上流は山。下流は平らだ」「(3Dの画面にして)下流は川幅が見えたのに、上流は川幅が狭くて分からないよ」「水の量が違うからだよ!」「下流は平らな所を流れているけど、上流は高低差があるね。流れが急なんだ」「あと、下流はまっすぐだけど上流はくねくね川が曲がっているね!」――。

 グーグル・アースを活用した学習は、地域の川の上流と下流における「川の曲がり方の違い」「川幅の違い」「まわりの地形の違い」の理解を促進させていきました。

 さらに、グーグル・アースには、さまざまな情報を重ね合わせるオーバーレイ機能があります。例えば、グーグル・アースの地球上に、気象衛星が撮影した雲画像やアメリカ地質調査所が公開している地震情報を共に表示することもできます。これらの機能を有効に利用することで、他の単元や他教科で地域学習をさらに深めることができるのです。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)