1人1台タブレットPC貸与 東京都品川区推進校の取り組み報告

2015年3月19日号掲載

 ICTを活用した教育活動推進校10校の全児童にタブレットPCを貸与し、自宅へ持ち帰っての学習も可能に――。東京・品川区教育委員会事務局の渋谷正宏指導課長は、さきごろ東京都港区で行われた情報教育対応教員研修全国セミナーで、品川区における取り組みについて報告をした。同セミナーは、一般社団法人日本教育情報化振興会などが主催し、NTT東日本ほかが協賛して行われたもので、「学校を変革する地域教育ネットワークセミナー―地域の力を生かした学校現場でのICT利用活用に向けて」がテーマ。

 渋谷指導課長は、まず、品川区の教育改革の流れについて話を始めた。開かれた学校づくりをするため、平成12、13年度には学校選択制、14年度は外部評価者制度、15年に学力定着度調査、18年度は小中一貫教育と、学校職員の意識改革のために多くの改革を行ってきた。

 また、同時に教育の情報化にも取り組んだ。12年度には学籍、給食、保健管理、私費会計などについての学校事務システムを導入、17年度は教職員1人1台のパソコンを配備、区役所と連動するグループウエアの構築、区立図書館と連携する学校図書館システムを導入、19年度は出退勤、文書管理、財務会計システムを導入、20年度は校務(出席簿、通知表、指導要録、学校日誌など)システムと介助員(介助員、学習支援員の配置、報告など)システム、22年度は教材系パソコンのセンターサーバー化を行った。

 校務系システムの導入が一段落したところで25年度からはグローバル化に対応した教育の実践にICTを用いるようになった。

 今年度は学校ICT整備校として実践校12校、推進校10校、そして特別支援学級(固定級9校、通級8校)を指定し、実践校、推進校の22校の普通教室にプロジェクタ・書画カメラを常設。推進校10校1860人の児童生徒に1人1台のタブレットPCを貸与、特別支援学級17校にも285台を配備した。

 この実践校は、自校推薦方式でICTをツールとして使う教育活動をプレゼンテーションして決定し、実践校の中から小規模校を推進校とした。

 貸与したタブレットPCは、自宅への持ち帰りも可能とし自宅学習でも使えるようにした。ただし、学校ではオンライン、自宅ではオフラインでの使用だ。

 子どもたちがPCを自宅でどれくらい活用して学習しているかについては、学習管理システムに集約し、校内ネットワークに接続したときに、教師が把握できるようにしている。

 渋谷指導課長は、「1人1台のPCを貸与した子どもと保護者へのアンケートを行ったところ、家庭における学習時間が増加し、主体的な学習意欲が向上していることが分かった」と成果が出ていることを指摘し、今後は既存の学習コンテンツをベースに、現場教員の声を反映した教材を開発し、授業改善と家庭学習においてより成果を上げていきたいとした。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)