スマホ世代に必要なリテラシー 学生団体UniXが冊子執筆

2015年7月9日号掲載

 学生団体UniXが「スマホ世代に必要なネットリテラシー2015年版」(B5判、カラー41ページ)を発行した。同団体は、都内を中心に中学校や高校を訪れ、ネットリテラシーについて講演活動を行っている。講演以外にも何かできないかと、冊子を執筆した。炎上の問題やプライバシー設定、ネットの世界だからこそかなえられる夢などについて、たいへん分かりやすくまとめられている。内容に関する確認問題も収載されている。

 冊子は、(1)インターネットリテラシー(2)インターネットにおける危険性と対策(3)ソーシャルメディアの可能性(4)ネットリテラシー実践編――の4章構成。説明、まとめ、ワーク、コラム、確認問題が配されている。

 執筆したのは、5つの大学に通う男女合わせて7人の学生。藤川大祐千葉大学教授が監修し、アディッシュ(株)/スクールガーディアン事務局が編集、(一社)日本教育基準協会が出版した(定価350円+税)。

 情報の信頼性、個人情報の特定、リベンジポルノ、炎上などは、スマホを使っていれば、すぐ目の前に差し迫る大きなリスク群である。

 情報の信頼性については、「1週間で1千万円稼げる方法教えます!」「地震でがれきの下に閉じ込められています。救助を呼んでください」「パンダの赤ちゃん誕生」との実例を挙げる。パンダの件以外はうそ。特に「地震で」は20分で1万2千人がリツイート(拡散機能)を使用。20分後に投稿者がうその書き込みだと送信すると、非難がどっと押し寄せて炎上した。

 こうした炎上や悪ふざけ写真の投稿(アルバイト先スーパーの業務用冷蔵庫に寝転ぶなど)では、就職試験のときに判明したり、内定取り消しになったり、店舗がつぶれて多額の賠償金を求められたりするなど、その後の人生を棒に振る事態にもなる。

 リベンジポルノの被害相談件数は、全国Webカウンセリング協議会によれば、平成25年10月から、一気に増え、毎年30件から35件ある。相談を寄せた件数なので、泣き寝入りの件数は、十数倍に上ると見られている。「下着姿や裸の写真を頼まれ、あの人だけに送信したのに」というのは、世界中に瞬時につながってしまうネットでは、決してもってはならない考えだ。

 軽い気持ちでつづる日々の日記文や撮った写真の更新も、内容や位置情報などから、やがては個人が特定される危険性が大いにある。

 使っているソーシャルメディアの通信ツールには、それぞれプライバシー設定の方法がある。これを設定して少々不便を感じたとしても、危険に遭遇するよりも、はるかに良い。

 もちろん、危険性や悪いことばかりが、ネット世界の全てではない。吹き込んだ歌の動画を見た音楽関係者がCDにしてくれてメジャーデビューした中学生2人組がいる。アニメに出てくるような動きを実写できるように工夫して投稿した女子高校生の作品が、世界に広がり、警備員やデザイナーなどさまざまな職業種の人たちが、国境や年齢を超えてまねをするようにまでなった。歌手のプロモーションビデオに使われたり、アメリカではコンテストが開かれたりと、1つの作品が世界をつなげた事例もある。ネットの世界だからこそ、こうして夢が実現した。

 冊子の最終盤では、各自がソーシャルメディアのポリシーをつくろうというワークがある。それまで述べてきたいろいろな問題やネットの長短を踏まえてつくってみようと呼びかける。

 UniXの学生らは「これから一生付き合うであろうソーシャルメディア。それが人生を豊かにするか台無しにするかは、あなた次第。主役は皆さんと皆さんの友人。目の前にいる友人との時間を大切に。画面の向こう側にいる友人を思いやる気持ちを持とう」と、冊子を閉じる。

UniXのポリシー

 学生団体UniXは、自らを律するソーシャルメディアポリシーを、次のように定めている。

 (1)自覚と責任をもって投稿する。事実でない内容は投稿しない。
 (2)個人情報の安全管理を徹底する。
 (3)傾聴の姿勢で学校の求めを考える。
 (4)UniXならば適切な情報を教えてくれると認められるようなブランド向上に努める。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)