ネットのトラブル根絶で啓発活動 各地で授業や講演会

2015年8月3日号掲載

 ネット上の言葉のやりとりがトラブルの元に。そんなケースはめずらしくない。LINE(株)は7月28日、東京都渋谷区の本社で、「ネット上のコミュニケーショントラブル根絶に向けたLINEの取り組み」をテーマに、同社の啓発活動について説明会を開いた。同社は今年、予定されているものを含めて、766回におよぶワークショップ授業や講演会を各地の学校で実施。説明会では、静岡大学教育学部の塩田真吾准教授が、同社との共同研究として実施しているコミュニケーションについて考える授業などを示した。9月からは、東大とのコラボで大規模実態調査に乗り出す。

 この日は、同社の出澤剛代表取締役社長CEOと江口清貴政策企画室長が、青少年のネットリテラシー啓発活動について説明した。

 まず、「100パーセントの安全は存在しない」との現実的な認識に立ち、ネットを安全に利用できる環境について、「リスクを受容可能な範囲にまで抑えた状態」とした。

 また、たびたび問題にされるLINEの「既読」機能については、「さまざまなヒアリングから、問題の核心はこれではないとの感触を得ている。一番の問題は、発信側と受信側で、受け取る意味合いが時に異なるテキストだけのやりとりだと考えている」と話した。

 学校での啓発活動としては、同社提供の教材を活用した学校での実践と同社からの講師派遣を含めて、小学校5年生から中学生までを対象にしたワークショップ授業および、対象を高校生まで広げた講演会を実施。これらを開始した一昨年には、年間130回だったものが、昨年には336回に増えた。今年はその2・3倍の回数となる見込みだ。

 この9月からは、ネットの使い方を考えさせる新たな漫画教材を無料配信する。ストーリーには、学校や生徒へのヒアリングに基づく実例を複数折り込む。ストーリーを追いながら内容を理解していくのではなく、そこに盛り込まれた情報を読み解いていく構成にする。

 また東京大学大学院教育研究科の協力で、10万人規模の利用実態調査を、9月から12月にかけて実施する。対象は、全国の小・中・高校生。

 調査期間は、いじめの発生が多いとされる長期休業後と秋の諸行事にかかる時期にあたる。いじめなど青少年のネット利用に伴うトラブル発生の傾向や因子を把握し、効果的な対策を考えていく知見を得るのがねらい。

 調査結果は、来年3月をめどに、研究者や教育関係者に公開される。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)