全国小・中にいじめ情報発信 匿名投稿で当該校だけに報告

2015年9月21日号掲載

 全国の小・中学校に、いじめ情報を匿名で報告するいじめ撲滅に向けたサイト「うきわネットワーク」が、稼働している。情報は、同ネットワーク事務局と報告の対象となった学校だけが閲覧できるので、子どもたちは安心して投稿することができる。

 うきわネットワーク事務局(井田裕之代表、群馬県前橋市)が運営する同サイト(https://ukiwanet.com/)は、8月8日に立ち上がった。

 私立を含む全国の小・中学校約3万校が対象。いじめを受けている児童生徒などが、同サイト上の所属校ごとに、いじめの状況やSOSメッセージなどを匿名で投稿。これら全てのいじめ情報は、同事務局が該当校に通知する。学校が同サイトにアクセスするための登録手続きを行うと、投稿されたいじめ情報が同サイトを通じて継続的に閲覧できる。

 いじめに苦しむ児童生徒にとって、状況を第三者に伝えること自体が、現状では大きな困難を伴う。そのことを考慮し、第一に「匿名でも、まず情報を伝えられる」仕組み作りを大事にした。

 一方、投稿のしやすさを大事にする中で、「寄せられるいじめ情報の信憑性に懸念は生じるが、今は、何よりも『いじめ情報を投稿する際の敷居を下げる』ことを重んじ、いたずら通知も含めて情報は全て受け入れ、事務局で吟味した上で、該当校に伝えるようにしたい」と井田代表は話す。

 いじめの多くは、教員には見えないところで起きているケースが多い。その点も踏まえ、いじめの早期発見や把握のために、「各学校でいじめがどの程度起き、どの程度積極的な対応をしているかを可視化できれば」とも。

 いじめ通知の項目は、いじめの度合いに応じて、軽度のレベル1「言葉によるからかいや無視」から、重度のレベル5「リンチなどの重い傷害や脅迫、恐喝」など、5分類した「いじめレベル」指標ごとにチェックし、通知できるようにした。

 また具体的ないじめ情報などを書き込めるコメント欄も設けている。名前やメールアドレスを記載しないで気軽に投稿できる流れを何よりも配慮している。

 同事務局には、9月15日時点で、全国から7件の情報が寄せられている。小学生の妹が受けているいじめを姉が通知してきたり、校内で暴力を振るわれている生徒の状況を仲間が知らせたりする事例など、いじめを受けている当事者以外の通知も多数寄せられている。第三者による投稿も期待しているという。

 情報の投稿や閲覧は無料。同事務局では、全国の学校の登録手続きを期待している。

 詳細や手続きは、同事務局=〒379―2147群馬県前橋市亀里町1299―7、エスコンビル4階。Eメール=info@ukiwanet.com

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)