【連載】スクールカウンセラーひと口アドバイス 69 個々のストレス反応にあった支援

臨床心理士 小見 祐子

受験勉強に集中しきれない
個々のストレス反応にあった支援

中学校3年生の担任です。初めての進路指導でもあり、緊張もしますが、学年の先生方にも教えてもらいながらやっています。
クラスの生徒ですが、高校の入試に向けて、それぞれが志望校に受かるために頑張っているのですが、いまひとつ集中しきれていない様子です。
イライラしている生徒もあれば、不安を訴えてくる生徒もあり、夜遅くまでゲームやインターネットをだらだらやってしまうという、保護者からの相談もあります。最終調整の冬休みに入る前に、士気が上がるような取り組みが何かあるでしょうか?

誰でも初めてのことを体験するときには緊張感が伴い、「失敗したらどうしよう、うまくいかないかもしれない」という不安がついてまわります。「受験」というストレスを乗り越えようと心身ともに反応しているのです。

そんなときには気持ち(心)ばかりでなく、体も緊張のあまり硬くなっている場合があります。まずは緊張した体をほぐすためのストレッチを、授業の終わりに試してみるのも効果的です。自分たちの置かれた状況や、いま体に起きていることを理解して対応していけるよう、ストレスとリラクセーションについて学習してみるのもよいかもしれません。

具体的には、不安や焦り、イライラが強い生徒に対しては、体調や受験勉強の進捗状況を、親切に聞いてあげるのも必要です。不安や焦りが勉強不足によるものと分かります。1時間でも勉強をやってみれば、不安解消に役に立つことに気付いていけます。

思うように勉強できないのには、何か他のことで気になってしまっていることがあるのかもしれません。いますぐ解決したほうがいいのか、受験が終わってから考えても間に合うのか、優先順位をつけるということも大事な視点で、その視点に気付けます。

あまりにも緊張感の強い生徒には、「たった1回の受験で人生の全てが決まるわけではないし」などの少しゆるめのメッセージを伝えられるといいのかもしれません。そうすることでリラックスでき、よく眠れるようになり、前向きな考え方をすることができるようになります。

一方、夜遅くのネット生活を手放せない生徒の中には、軽く依存が形成されてしまっている場合もあります。そういう行動を変えるのはなかなか難しいのが実態だと思いますが、せっかく授業や塾で覚えた内容も、質のよい睡眠をとらないと定着しない、寝る直前までやり続けるのは効率が良くない、このような情報提供を十分にしてゆくと、使い方をコントロールできるようになることもあります。

進路決定、受験というストレスに対するストレス反応はさまざまなので、個々に合わせて支援をしてゆくことが肝要です。

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