高校英語教育と大学入試(8)慣用表現力を育てる

ココネ言語教育研究所所長、慶應義塾大学名誉教授 田中 茂範



今回は「慣用表現力」というコンセプトを紹介したい。慣用化された表現は、熟語、成句、イディオム、決まり文句、連語、定型表現、ことわざ、箴言(しんげん)と呼ばれるものを含む。反復使用により表現が固定されて人々に連鎖的に広がり、共有されるようになった表現群である。

日本語で言えば「おはよう」「ほんの少しだけ」「よろしく」「要は」「茫然(ぼうぜん)自失」をはじめ、多様な表現が含まれる。英語ではformulaと言うが、a lot of、you know、the point is…、to start with、as a result、give me a breakなどが含まれる。

デンマークの言語学者イエスペルセンによれば、言語は自由表現(free expression)と慣用表現(formula)を両輪にして機能する。……

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