【連載】特別支援教育の根本 4 法的定義を明確にしておく

(学)大出学園支援学校若葉高等学園理事 清野佶成

 

引き続き、通級による指導対象の障害について考えたい。  通級による指導は、小・中学校の通常学級に在籍している軽度の障害のある児童生徒に、通常の学級での各教科等の指導を行いながら、障害に応じた特別の指導を特別の場で行う特別支援教育の一つの形態である。

通級による指導の対象となる障害は、学校教育法施行規則第140条によって、言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、学習障害、注意欠陥多動性障害等である。

平成19年4月1日付で学校教育法が改正され、特別支援教育が法的に位置付けられて、幼稚園、小学校、中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校の全ての学校種で実施されることになった(これらをまとめて以下は幼稚園等と表記)。

改正学校教育法第81条第1項には、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校、及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする」と明記されている。ここで「教育上の支援を必要とする幼児、児童、生徒」とは、どのような子どもたちであろうか。

平成19年4月1日付の「特別支援教育の推進について」(通知)には、「特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである」と述べられており、通常学級に在籍している発達障害児(者)を対象としている。

それでは、発達障害とはどのような障害であろうか。広義で考えれば、0~18歳頃までの発達過程で起こった障害である。当然、特殊教育の対象であった視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱、言語障害、情緒障害が含まれる。さらに特別支援教育になって、通常学級に在籍している軽度の障害を持つ児童生徒の発達障害を対象とした。

発達障害者支援法で「発達障害」とは、「自閉症、アスペルガー症候群、その他広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとし政令で定めるものをいう」と定義されている。また「発達障害者」とは、「発達障害を有するために日常生活又は社会生活に制限を受ける者」をいい、「発達障害児」とは、「発達障害者のうち18歳未満のものをいう」としている。

自閉症とは、3歳くらいまでに現れ、(1)他人との社会的関係の形成の困難さ(2)言葉の発達の遅れ(3)興味や関心が狭く特定のものにこだわる――を特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると考えられている。

 アスペルガー症候群とは、知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないもので、広汎性発達障害に分類されているが、最近は、自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群を総称して、自閉症スペクトラム(連続体)といわれている。

 学習障害(LD)とは、「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指す」もの。原因は、中枢神経系に何らかの機能障害があると考えられているが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などや、環境的要因が直接の原因となるものではない。

 注意欠陥多動性障害(ADHD)とは、「年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすもの」である。また7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると考えられる。

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