【連載】古川流学級経営12の鉄則 その2 情報を徹底活用

兵庫県赤穂市立原小学校教頭 古川 光弘

 

一切先入観を持たずに子どもたちを迎えるという考え方がありますが、一昔前ならまだしも、現状では私は反対です。前回も書きましたが、今や教壇に無防備で立ってはいけません。しっかりと情報を収集しておきます。そのために、(1)児童調査票(2)指導要録(3)前担任からの引き継ぎ資料――のリストを活用します。今からでも、決して遅くはありません。

まず、児童調査票では、基本的な事柄を押さえておきます。母子・父子家庭児童などの家族構成をはじめ、可能ならば家族の健康状態までも把握しておきましょう。そういったことを怠ると、「家に帰ったら、このプリントを、必ずお母さん(お父さん)に渡して、読んでもらってください」のような失言を発しかねないからです。

もちろん、児童の身体状況も把握しておきます。視力、聴力の落ちている児童、あるいは身長などのデーターは頭に入れておき、席を決めるにあたっては、それらのことを配慮しましょう。

次に指導要録からは、それぞれの児童の長所や特技を拾い上げます。特に、長所・特技などは記録しておきましょう。

例えば新学期のスタートで、子どもたちの自己紹介を取り入れる学級が多いでしょう。そこでこの児童理解を生かします。教師は、子どもの自己紹介が終わるたびに、「○○君は、習字が得意で、現在1級までいっています」のような簡単なコメントを入れます。あるいは、「△△さんは、3年生のとき、何かで表彰を受けました。何の表彰だと思いますか?」のようにクイズ形式にしてもいいでしょう。この方法は学期はじめに子どもとの距離を埋めるのに、実に効果があります。子どもは「何で知ってるの?」と驚くと同時に、担任に好意を抱くようになるからです。

前担任との引き継ぎはしっかり行いましょう。指導要録では得られない有益な情報を得ることができます。プラス評価はもちろんのこと、気になる児童の情報、マイナス評価の情報も多く入手することができるはずです。しかし、私は、そういったマイナス評価にあまり敏感になってはいけないと考えています。

もちろん対策を考えておくことは必要です。でも、始めからその子の行動を押さえつけたり、排除してしまったりはどうかと思います。実態を知った上で、できるだけ、ありのままスムーズな形でスタートを切りたいと考えています。

そして、さりげなく戦略をうっていきます。教師はとかく影響力のある子どもを押さえにかかりますが、まずは、その子のやる気をみてみましょう。情報をしっかりつかんでおけば、その子の行動が予測できるだけに、安心して学級づくりをスタートさせることができるはずです。

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