【連載】古川流学級経営12の鉄則 その3 女子を掌握せよ!

兵庫県赤穂市立原小学校教頭 古川光弘

鉄則その3 女子を掌握せよ!

学級を運営するにあたり、女子が相手の場合は慎重に進めなければなりません。特に高学年では、注意が必要です。今の時代、情熱だけで学級経営はできません。戦略が必要です。私が担任した6年生の学級で、第1回目の図工の時間に次のようなことがありました。

「絵の具はパレットに全色出しておきます」という指示を私が出した時、「エ~、なんでそんなことするん? 乾いて固まってしまうやん」と、いかにも嫌そうにささやく女子の声が聞こえました。小声ではありますが、周りに聞こえるような声です。女子のリーダー格の子です。

「お~、来たな!」と思いましたが、とりあえず勝負は後回しにすることにし、作業にかからせました。そして、巡回指導をしながら、密かにパレットはチェックしておいたのです。やはり指示通りできていない子が何人かいました。

先の女の子の影響もあったのでしょう。そして、作業終了です。教室でクラス統率のための勝負をかけます。実はこういった場面、予想しなかった子どもたちからのジャブ攻撃にうろたえている教師を時々見かけますが、こんな場面は大切なチャンスでもあるのです。逆にうまく利用します。

「先生が言ったように、絵の具をパレットに全色出した人は手をあげなさい」。ここは「出さなかった人?」と聞いてはダメです。指導対象が女子だからです。このように聞くと、指示を守った人は認められ、守らなかった人も目立ちません。さらにここは、さっと挙げさせて、すぐに下ろさせます。さらっと流さないとだめです。しつこいのは厳禁です。そして、次のように話します。

先生は、これから先、今、手をあげた人にだけ、精一杯授業をすることにします。ほかの人には適当に付き合います。先生は、全色出しなさいと言ったのです。出しなさいと言われたら、出すのです。

先生を信頼せず、文句ばっかり言って、先生の指示に従わないのであれば、これから先、どうぞ何でも好き勝手にやりなさい。それは、その人が勝手にやっていることなのですから、先生は一切、その人に対して責任を持ちません。それでもよければご勝手にどうぞ。

素直であるというのは、まずは、何でも指示通りやってみるということです。やってみて、おかしなところは修正するのです。先生に言うのです。先生も人間ですから、なるほどその通りだと思ったら、訂正します。やる前からごちゃごちゃ言うのは、やる気のない者のすることです。

ここは、クラス全体に言うように、威厳を保ちながら話さないといけません。そのとき、先の女の子と目を合わせないようにします。あくまでも、クラス全体に話しているんだよという姿勢を保ちます。あなたに言っているんだよという雰囲気を悟られてはいけません。

これで、明らかにクラスの雰囲気が変わりました。この子は、以後、私に対して反抗的な態度を示すことはありませんでした。むしろ好意的な態度を示すようになりました。

このような一つ一つのカギとなるチャンスの場面には的確な対応をとらないといけません。行き当たりばったりでは失敗します。ただ実際には、なかなかそうはいきません。そこで、前回書いたように、担任をする前には、徹底的な情報収集を行い、予測できる事態に戦略を練っておくのです。だから情報収集は大切なのです。

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