【連載】古川流学級経営12の鉄則 その4 問題解決には異性

兵庫県赤穂市立原小学校教頭 古川 光弘

 

さて今回は、学級問題への戦略をご紹介します。例えば「いじめ問題」です。前回(連載第3回参照)のケースとは全く逆で、全体指導では当人の心に響かないケースです。

「いじめ問題」は、全体を前に具体性のない指導をしても子どもの心には届きません。一つ例をあげますが、3月の情報収集の段階でA児に対するB児の「いやがらせ」が、なかなか解決しないという情報を得たとします。どちらも女子です。

一種の「いじめ」です。どのクラスにも普通に起こりそうな友達同士のいざこざです。ただそれでも、大きな問題にならないうちに早急に何とかしておきたい課題でもあります。

さて、このような場面では、どのように対応をすればいいのでしょうか。いくら、「いじめはダメです。やってはいけません」と言ったって、なくなりはしないでしょう。私が取った対応ですが、この方法はかなりの確率でうまくいきます。しかも、しこりは残りません。

まずは、いじめているB子に近づきます。一人でいるときがいいでしょう。そして、「男子が言っていたけど、Aさんと何かあったの?」という感じでそれとなく話しかけます。  ここは、異性を利用するのが鉄則です。この点を間違えると、問題がさらに大きくなりかねません。もちろん、男子はそんなこと言っていません。そして、「友達が言っていた」ことにするのがポイントです。おそらくB子は自分のことを棚にあげ、A子からいじわるをされたようなことを切り出します。

もし、B子が切り出しにくそうにしていたら、「先生は何人もの男子から聞いたよ」と追い討ちをかけます。B子が話し出せば、しめたものです。すかさず、「そうなの! それは大変だ。学級会の議題にあげて話し合おうと思うんだけど、どうする?」と切りかえします。

おそらく、こうなれば「ちょっと待ってください」となります。黙り込んでしまうことも考えられます。ここが大切なところで「黙ってしまうほど、つらいんだね。学級会でみんなで考えてもらおうね」と、さらに追い込んでいきます。ここでB子が、「そこまでしなくてもいいです」と言えば、こっちのもの。

「分かりました。しばらく先生も様子を見ていますね。あなたも、何かあったら言ってくださいね」と言いましょう。黙ってしまった場合も同じです。おそらくこの問題はこれで解決です。以後、表面に出ることはなくなるでしょう。

大切なことは、異性を〝うまく〟活用するということです。先に言いましたが、今の時代、情熱だけでは学級経営はできません。このような戦略が必要です。『6年生の学級経営・絶対成功する年間戦略』(明治図書出版)という本は私が書いたのですが、京都文教大学の大前暁政准教授が明治図書出版のホームページで、ご自身の「座右の書」の1冊として挙げていただいています。一読に値すると思います。

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