【連載】古川流学級経営12の鉄則 その6 考えないのも大事

兵庫県赤穂市立原小学校教頭 古川 光弘

 

さて、いくら万全の戦略で臨んでも、うまくいかないことがあるのは当然です。私も1年間、子どもたちと全くかみ合わない年がありました。やはり、うまくいかないときもあるのです。学級は人間対人間の生き物ですから。相性もあるでしょう。教師は真面目ですから、そんな状況になると悩むのです。あれこれと考えてしまうのです。

実は、このような状況になると、負のスパイラルにずるずると引き込まれていきます。自分自身の気力が下がっていますから、打つ手打つ手が裏目に出ます。すると、さらに気持ちが沈みます。本当に疲れます。

私は、机の前にメッセージを貼り付けています(写真)。「がばいばあちゃん」の言葉です。

そうなんです。実は、こんなときには、むしろ何も考えない方がいいのです。家に帰ったら、好きなテレビを見たり、漫画を読んだりして、体力と気力の消耗を防ぐのです。あるいは、「トイレを磨く」というのも一つの方法かもしれません。その理由についてはいずれ書きますが、少しは運気が回ってくるでしょう。

考えてよくなることだったら、いくらでも考えればいいのです。でも、大抵のことは、考えても、何も変わらない場合が多いのです。考えれば考えるほど、しんどくなるだけです。

ただ、それでも考えてしまうのであれば、唯一、一つのことだけ考えましょう。それは、授業を成立させることだけです。授業が成立すれば、学級経営もスムーズに進行することが多いからです。

授業で難しいことは考えず、「10分間パーツ教材」で授業を組み立ててください。これは、私が過去に提案した授業法です。この授業形態を活用すれば、授業は立て直せます。45分の授業を、10分程度のパーツで構成するのです。教材研究も極力必要がないように構成します。

この指導法については、次回詳しく書きますが、よろしければ、拙著『1年生の授業~10分間パーツ教材で集中力を高める』(明治図書出版)を活用してください。

学級がうまくいっていないときには、その原因となる子で頭がいっぱいになりますが、それを取り巻く頑張ろうとしている子がたくさんいることも、忘れないでほしいです。

向山洋一先生は、「教師を判断する基準は一つ」と言います。クラスで一番嫌われている子が、休み時間になると、教師の膝の上に乗ってお話をしている、そういう事実があるだけで、その教師は素晴らしい教師だと話します。

教師が子どもたちを選べない以上に、子どもたちは教師を選べません。苦しい状況にあっても、一人ひとりの子どもの顔は、思い浮かべてあげてください。

 

関連記事