【連載】教師の“4ぢから”を高める 6 まとめる力③ 横糸を張る

文教大学教育学部教授 会沢信彦

 

文教大学で「学級づくりセミナー」を8月20日に開催しました。そこでメーン講師として招いたのが、織物モデル提唱者の横藤雅人校長です。横藤校長の話は分かりやすく説得力があり、逐語で紹介したいくらいなのですが、紙面の都合でそれができず、残念です。

さて、教師は縦糸を張る一方で、同時に横糸も張らなければなりません。第4回の連載に示した通り、横糸とは、教師と子どもたち、そして、子どもたち同士のフラットで温かく、ふれあいのある人間関係です。

では、どうしたら教師と子どもたちの間に横糸を張ることができるのでしょうか。おそらく、経験を積んだ先生は、横糸を張るための自分のスタイルを持っていると思います。野中信行元教諭は、わざと汚い話(う○ちの話など)をして、子どもたちを笑わせるそうです。

横藤校長は、先日の講演の中で、ミニゲームをたくさん行うと語っていました。楽器が得意な先生はギターを教室に持ち込むかもしれませんし、小学校の若い先生であれば、何はともあれ、休み時間は子どもと全力で遊ぶことが大切です。とにかく、教師が子どもたちと一緒に楽しんだり笑ったりするのが、横糸張りのポイントです。

しかし、横糸が必要なのは教師と子どもたちの間だけではありません。教師は学級の子ども同士がしっかりした横糸で結ばれるような働きかけを意図的・計画的に行わなければなりません。そのための手だてには次のようなものがあるでしょう。

まず、日本の学校では従来から、さまざまな行事が子ども同士のつながりを築くために大きな役割を果たしていたはずです。学生に学校生活の体験談を書いてもらうことがありますが、「運動会、合唱コンクールなどの行事を通してクラスがまとまった」という思い出がたくさん語られます。

次に、教育相談の分野で提唱されているさまざまな心理教育的プログラムの構成的グループエンカウンターやソーシャルスキル教育、ピアサポート、対人関係ゲームも、子ども同士の横糸を張るためにとても有効です。

ぜひ、先生ご自身が研修などでこれらのプログラムを体験し、人間関係の心地よさを実感することを勧めます。

近年、実践者が増えているのが「クラス会議」です。これらについては、上越教育大学の赤坂真二教授や滋賀県公立小学校の森重裕二教諭が著書にまとめているので、参照を勧めます。  しかし、何より大切なのは、教師が子どもたち同士の横糸を張ることを普段から意識し、授業や学校生活の中で子どもたち同士が関わる場面をたくさん用意することだと思います。