【連載】古川流学級経営12の鉄則 その7 授業成立だけ考える

兵庫県赤穂市立原小学校教頭 古川光弘

 

さて前回、悩んだときには「あえて考えるな!」ということを書きました。

考えてよくなることだったら、いくらでも考えればいいのです。でも、大抵のことは、考えても何も変わらないことが多いのです。考えるほど、しんどくなるだけです。

ただ、それでも考えてしまうのであれば、1つのことだけ考えましょう。それは、授業を成立させることだけです。授業が成立すれば、学級経営もスムーズに進行する場合が多いからです。

授業も難しいことは考えず、「10分間パーツ教材」で組み立ててください。この授業形態を活用すれば、授業は立て直せます。簡単にいえば、45分の授業を10分程度のパーツに分けて構成するのです。教材研究も極力必要ないように構成します。

たったこれだけのことですが、子どもたちを引きつけ、集中力を飛躍的に高めることができます。何も難しいことはありません。誰にでもできる普通の授業です。

例えば、国語では次のように組み立てます。

小学校2年生の単元「ふきのとう」の授業を例に説明します。  (1)まずは、既習漢字の復習からです。全員起立させ、本時までに学習した漢字を5つほど「空書き」させます。「イチ、ニイ、サン……」と筆順を唱えながら、空中に指で書いていきます。(約5分間)

(2)引き続き、新出漢字の学習を行います。毎時間2~3文字ずつ進めていきます。指書き、なぞり書き、写し書きのステップを取り入れます。(約5分間)

(3)次に、教材文の視写の学習に移ります。教科書をワークシートに丁寧に写し取る学習です。視写は「集中力」「丁寧さ」など、最も基本的な国語の力を総合的に高める上で効果的です。(約10分間)

(4)視写で集中した後は、「あいうえお」の口形と発声指導を簡単なリズムに乗せて行います。この「口形指導」は、ちょっと工夫するだけで、子どもたちは大喜びで取り組みます。(約2分間)

(5)次いで、教材文の音読に移ります。「声のメガホン」という声の大きさの指標を駆使しながら、抑揚を付けた音読に取り組ませます。(約5分間)

(6)さらに発展学習へと向かいます。あらかじめ短い詩(本時では「たんぽぽ」)を黒板に書いておき、暗唱させます。1文ずつ消していきながら、何度も暗唱させる方法を用います。子どもたちの意欲が1文を消すごとに高まるので、教室の雰囲気は一気に最高潮に達します。(約10分間)

(7)最後は、国語クイズで楽しんで学習を終えます。「もっとやりたい!」と子どもたちが乗ってきたところで授業をやめるのがコツです。授業が終わっても子どもたちの興奮はおさまりません。(約8分間)

このように「10分間パーツ教材」をねらいに沿って配列します。本時では7教材で45分の授業を構成しました。リズムのよさが分かると思います。

実は私、毎年、どの学年を担任しても、「10分間パーツ教材」で組み立てた国語の授業を第1回目の参観日に実施します。そうすると、子どもは集中して学習に取り組みます。さらに、授業を見た保護者からは驚きの便りがたくさん届きます。子どもだけでなく、一気に保護者の心をつかむことができるのです。

とにかくだまされたと思って、やってみてください。分かりにくいようであれば、拙著『1年生の授業 10分間パーツ教材で集中力を高める』(写真/明治図書出版)をご活用ください。具体的な事例を多く挙げて説明しています。

関連記事