【連載】子どもの自立を育む学級経営 第7回 教師自身の意識が重要になる

京都文教大学准教授 大前 暁政

「最近、学級の雰囲気が沈んでいるな……」。そう思ったら、ひょっとすると教師自身が原因かもしれません。教師が明るく毎日を過ごしていると、学級の雰囲気も明るくなります。反対に1日中、教師がブスっとした顔をして、笑顔を見せることが少ないと学級の雰囲気も暗いものになってしまいます。教師の言動は学級の雰囲気をつくり出す元となっているのです。

大切なのは、その学級の雰囲気に、子どもたちは自然と染まっていくということです。それならば、教師は、よい雰囲気を生み出す方向に自分の行動を意図的に修正しなくてはなりません。

ある先生は、朝の教室の第一声に気を付けていました。教室に入った一歩目に明るい声で「おはようございます!」と言うのです。しかも笑顔でです。毎朝、最高の笑顔を鏡でつくってから教室に向かっていました。もちろん、朝から子どもたちも自然と笑顔になります。しかも、その学級の子どもたちは他の先生にも自分から元気にあいさつをしてくれるのです。つまり、教師が生み出したい「よい雰囲気」を、教師の言動で意図的につくり出していたのです。

では、もし荒れた学級を受けもつことになり、けじめのない子が多くいる状況ではどうすればよいでしょうか。その場合、けじめのある厳粛な雰囲気をつくる必要があります。まず、学級びらきの雰囲気づくりが極めて大切になります。

真面目な話をするときには声のトーンを落として、低い声で真面目な顔で話すのです。おのずと子どもたちも真面目な顔になります。そして、教室には厳粛な雰囲気がつくられるのです。

例えば、授業中もふざけるばかりでわいわいとにぎやかだったとしましょう。それならば、授業中の雰囲気を変えなくてはなりません。これも、最初の授業でどんな雰囲気をつくるのかが極めて重要になります。

最初に、おもいきり真剣に授業に取り組む姿勢を教師自身が見せるのです。それは、黒板に文字をきちんと丁寧に書くことでもいいですし、熱っぽく学習の意義を語るのでもよいでしょう。表情や話し方で、授業とは「1時間1時間が真剣勝負なのだ」という雰囲気を生み出すのです。そうすれば、子どもにとって、それがスタンダードになります。

子どもたちは「去年は授業中も騒いでいてうるさかった。でも、今年の担任は授業は真剣勝負といった雰囲気でやるのだな。もうちょっときちんと勉強しよう」と思います。3回も同じような雰囲気で授業を続ければ、それが「当たり前」になります。すると、1年間、授業中に騒がしい雰囲気になることはなくなります。

私の場合、「メリハリ」のある雰囲気を大切にして学級経営をしていました。「楽しいときは楽しく。真剣なときは真剣に」という雰囲気をつくろうとしたのです。そして、私自身がそのメリハリの見本になるようにしました。真剣なときは思い切り真剣になります。たかが掃除でも、周りから見てものすごく集中してやっているなといった形でやるわけです。

しかし、息を抜くときは抜きます。遊びなどの楽しいときは、少々はみ出した行動をしている子がいても、ゆるやかに余裕をもって見ています。教師自身も余裕をもって遊びに興じます。すると、だんだんと教室にメリハリの雰囲気が生まれ、その中で、子どももメリハリのある行動を取るようになってくるのです。

明るい学級をつくろうと思ったら、教師こそが明るく過ごすようにする。人を褒める温かい雰囲気をつくりたいなら、教師も子どもを褒めまくる。どの人も尊重する雰囲気をつくりたいなら、教師も目の前の子どもの可能性を堅く信じる。教師は、自分の行動を注意深く選択する必要があるのです。

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