【連載】古川流学級経営12の鉄則 その8 子どものため一肌脱ぐ

兵庫県赤穂市立原小学校教頭 古川光弘

 

学級がぎくしゃくしている状況というのは、「潤滑油」が不足している状況です。教師と児童、児童同士、いろいろなところに、ひずみが生じているのです。このようなときには「潤滑油」を注入することが必要です。完全な解決にはならずとも、ひずみ解消のきっかけになる場合があります。

例えば、思いきって1日中、お楽しみ会などをやってみてはどうでしょう。そんなことをすると、周りからの声が気になり、気持ちが引けてくるのも本音です。でも、子どもたちの心には、強烈に楽しい思い出として残ります。私は何度もやっていますが、どの学年でも、年間思い出ベストテンの3位以内には必ず入っています。

とにかく1日中、遊んでいるようなものですから、子どもたちには、この上なく楽しい日になります。1カ月分の特別活動の時間を1日で使うという裏技を使えば、問題はないでしょう(笑)。少々の批判は恐れず、子どもたちのために一肌脱ぐのです!。そんな心意気は子どもたちに伝わり、「先生、ありがとう」という言葉が自然と口に出てきます。

私の実践を一つ紹介します。30年近く前になりますが、朝9時から昼の3時まで続く「とんでもないクリスマスパーティー」を子どもたちが企画したのです。計画書はクラス全体で15枚になりました。普段学校に持ってこられないようなものを作って食べようというおまけもつきます。しかし、さすがに校長先生に叱られるのではないかという心配から、最後は校長先生に交渉までした実践です。

若さゆえの無謀なところもあり、やりすぎの感が拭えません。ただ、みんなでやりきったというすがすがしさは、今でもはっきりと覚えています。計画書の作成や校長先生への交渉など、パーティーを実現するまでのドラマは、私がさりげなく意図的に仕組んだ戦略です。さすがに校長先生も、子どもたちじきじきのお願いをむげには断れません(笑)。

子どもたちは、このパーティーが最高に面白かったらしく、この年の思い出ベスト10では、満票に1票足りなかったものの、堂々第1位に輝いています。30年近くたった今でも、このパーティーの感動は私の心に残っています。若き日の懐かしい思いです。

「笑いと涙のハッピークラス」の実践で有名な北陸学院大学の金森俊朗教授は、「馬鹿げたフェスティバル文化」を提唱しています。こういった考え方を、あえて今の時代、もう一度、見直してみたいものです。

若いときは、授業に向けて勉強することは必要です。学校の実務をこなすことも大切です。でも、若いときだからこそ「できる」こともあります。第三者から見ると、少々〝冒険的実践〟を、子どもたちのために具現化する熱い志と実行力を若い教師は持たなくてはならないのではないでしょうか。

学校を意外性に満ちた楽しい場所にしたいと思いませんか。子どもたちが、こんなこともできるのかと、ワクワクしながら登校できる場所にしたいものです。教室が意味のあることばかり学ぶ場ではなくて、それほど大切ではないことも、つまらないことも一緒に勉強できる、そんな不思議な場所にしたいと、いつも思っています。

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