【連載】こころ元気エクササイズ 若手教師編 第57回

メンタルトレーナー 加藤史子

想像すら超えた未来を映し出す 子どもたちへの最大の贈り物を

年末となった今回は、子どもたちに贈ることができる最大の贈り物は何かを考えてみたいと思います。

子どもたちに何を手渡してあげたいでしょうか? 自信、夢、チャレンジしていく勇気、挫折を乗り越えていく力、問題を解決していく知恵。贈りたいものはどれも目には見えないものばかりです。どうすればこれらが手渡していけるのかを考えていきましょう。自分だったらどうすればこれらが手に入るのかを考えてみるといいでしょう。

(1)自分だったら、どのようなときに自信が持てますか?
(2)自分だったら、どのようなときに夢を見つけることができますか?
(3)自分だったら、どのようなときにチャレンジする勇気が湧いてきますか?
(4)自分だったら、どのようなときに挫折を乗り越えていく力が湧いてきますか?
(5)自分だったら、どのようなときに問題を解決する知恵が湧いてきますか?

一つ一つを具体的にイメージしてみると、何か大切な場面で誰にどのように向き合ってもらえたのか、どのような言葉をかけてもらえたのかということが重要であることが分かります。

私自身が、自信を持てた瞬間は何かなと思い出してみたときに、2つの思い出がよみがえってきました。どちらも先生の何気ない一言です。

一つは、「この子は何をやっても真剣に取り組んで頑張るから、何をやったとしても成功すると思うよ」「この人は、ダイヤの原石かもしれないよ」。何気ない会話の中で、私のことを誰かに話をしているときの言葉でした。この何気ない一言が、今の自分の原点となり自信となっています。このような言葉をもらったら、誰だって自信につながるように思います。このような言葉をどれだけ日常の中で伝えてあげられるかが大切なのだと思います。

私が夢を見つけた瞬間の思い出も紹介します。こちらは会社の上司に歩きながら伝えられた言葉がきっかけとなりました。「加藤さんには、いつか人前で講演する人になってほしいと思っている」と言われたのです。この言葉は私の想像を超えていました。

なぜなら私は人前で話すことがもっとも苦手だったので、そんなことを夢に見たこともないし、聞かされたときは夢のまた夢のような状態だったからです。でもこのとき確かに自分が講演している姿が脳裏に映し出され、しばらくしてからこれが私の夢となり、人前で話をすることへの苦手意識を克服していきました。

人には自分の想像すら超えた憧れの未来像があります。その未来像は自分では思い描けてはいないのです。でも誰かが相手の一番素晴らしい未来を映し出して言葉にすることによって、相手もその輝かしい未来に向かって進んでいくことができるようになります。

マザー・テレサの言葉にはこのような言葉があります。

「どんな人にあっても、まずその人のなかにある、美しいものを見るようにしています。この人のなかで、いちばん素晴らしいものはなんだろう?そこから始めようとしております。そうしますと、かならず美しいところが見つかって、そうすると私はその人を愛することができるようになって、それが愛のはじまりとなります。」

子どもたちに、どれだけ自分が素晴らしい存在なのかを伝えてあげられる人を増やしていきたい。そんな想いが届き、目を輝かせた子どもたちがどんどん増えていくことを願っています。