【連載】スクールカウンセラーひと口アドバイス 70 謝れない子の効果的な橋渡し

臨床心理士 小見 祐子

謝れない子の効果的な橋渡し 言い分からヒントを得よう

小学校6年生の担任。年も改まり、卒業に向け、また中学校でのより良いスタートを切れるよう学習についても生活面についても指導を行っています。そのなかで「ごめんなさい」を言うことができない気になる男子児童がいます。先日も他の児童と口論になり、手を出してしまいました。指導をしても、言い訳ばかりを繰り返しては逆ギレをする始末です。このままでは中学校へ気持ちよく送り出すことができない気がしています。担任として卒業までに何ができるでしょうか。

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小学校6年生の担任は、学習のまとめや卒業へ向けての行事などお忙しいことと存じます。同じクラスで学習や生活を共にすると、先生と児童、児童同士もお互いを少しずつ理解し、必要以上の衝突を避けることができる方策を学びます。「4月から中学生になる」ということが、良い意味での緊張感になり、やる気と期待に満ちたスパイスになることもあれば、一方で勉強が難しくなる、定期テストがあるようになる、部活動での厳しい活動があるなど不安でいっぱいになってしまう児童もあるかもしれません。卒業・進学はうれしいことでもある一方で、大きな変化を伴うストレスにもなっていることを理解してゆくことが肝要です。

一方、効果的に指導をしていくためにも、児童本人が何が良くなかったのかを理解できているかの確認をする必要があります。理解しているかを確かめるために、まず言い訳や言い分を十分に聞いてみましょう。自分のしたことを棚に上げ、おかしな言い訳をするかもしれません。殴ってしまった児童に馬鹿にされたと勘違いして、手を出したのかもしれないし、実際言葉で傷つくようなことを言われていたのかもしれません。

その児童が学級という集団の中で、適応的な行動をとる妨げになっている要因は何であるのか、そのヒントが当事者である児童の言い訳に隠されていることが多くあります。背景に衝動性のコントロールに課題が見えてきたのであれば、トレーニングの視点でマネジメントを試みることが必要であるし、勘違いが要因であるとするならば、他の児童の表情や素振りの読み取りに困難を抱えているのかもしれない。さらに、実際言葉の攻撃を受けているのであれば、被害児童に対しても、慎重に指導してゆくことが必要になる場合もあるなどです。

誰だって自分の所属するコミュニティーで自分らしく振る舞い、それを受け入れてほしいと思っています。校内のスタッフであるスクールカウンセラーと良い連携をはかり、中学校への効果的な橋渡しができることを期待します。

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