【連載】子どもの自立を育む学級経営 第11回 教師の本気を行動で見せる

京都文教大學准教授 大前暁政

 
 学級経営の上で、担任は非常に大きな影響力を発揮します。特に小学校は、担任次第でいくらでも学級の雰囲気が変わります。子どもの授業態度から生活態度まで、担任がどういう態度や行動を取るかで、全く変わってくるのです。教育効果を最大限にあげようと思えば、教師の影響力を利用しない手はありません。

「教師が堂々として模範になる」。これが授業、学級経営で極めて大切になります。堂々としているとは、気迫で子どもたちに負けていないことです。しかし、威圧では、ありません。子どもに何かやらせるばかりでなく、教師自身がやってみせるのです。教室が良くなるのも悪くなるのも教師自身の責任だと思って、前面に出て指導するのです。

「若い教師は何をやっても子どもに侮られる」。そんな悩みがよく寄せられます。それは、教師としての気迫や本気度で子どもの気迫に負けているからです。堂々とする、前面に出るのを恐れない。これが極めて大切なのです。
堂々とした教師が子どもたちに接すると、子どもたちは少し萎縮します。ちょっとだけ教師を自分たちと違う存在だと認識してくれます。22歳で教師になったばかりの人と高校生では年の差は大してありません。

しかし、教師が凜として高校生と違った雰囲気でいたらどうでしょうか。最初は、年齢が近くてなれなれしかった生徒が、だんだん「この教師は年齢は近いが自分たちとは全然違う」と理解しはじめます。そして、敬意を払ってくれるのです。

教師は堂々と凜としていないといけないのです。その上で、子どもの良さを見つけ、褒めるようにしていきます。
「堂々として」「凜として」というと、ついつい威圧ばかりに意識がいきそうになります。そうではなく、褒める方に力を入れるのです。堂々と、しかも凜とした教師が褒めてくれます。「褒める」から「教え―教えられる」関係ができてくるのです。

もちろん、子どもと一緒にがんばった事実に対して、共に喜ぶやり方もあります。子どもと教師が「共に努力する者」という並列の立場に立ち、子どもの努力を共に喜ぶやり方です。しかし、まず「教師と子どもの縦の関係」を築くときは、教えた内容ができたかを確認して、褒めることができなくてはならないのです。

若手教師が抱える悩みの一つに、「子どもが自分を侮るので学級経営や授業がうまくいかない」があります。子どもは、この教師はあまりやる気がないなというのはすぐ見抜きます。教育活動に、熱をもち、本気で取り組んでいるのだという姿勢を行動で見せる必要があります。

率先垂範で子どもよりも先に動くとか、子どもがだめな行動をしていたら毅然と叱るなどです。熱や本気さが子どもに伝われば、子どもはどんどん素直になり、進んで努力するようになっていきます。子どもの自立を促す学級経営の出発点は、教師自身が、自立した大人としての姿勢をモデルとして見せる点にあるのです。

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