◇愛知県刈谷市立雁が音中学校◇
▼研究にかける思い
生徒は本来、「知りたい」「できるようになりたい」という思い(知的好奇心)に満ちている存在だと考えます。生徒のそうした思いを刺激し、生徒がわくわくする授業を提供することが私たち教師の使命です。
そして、生徒自身の「知りたい」「できるようになりたい」という思いの実現に向けて動き出そうとする気持ち(探究心)を確かなものにする授業づくりが大切であると考えました。生徒の探究心を確かなものにすることで、生涯にわたって主体的に学び続ける基盤をつくりたいと考えました。
▼めざす生徒像
・「知りたい」「できるようになりたい」という思いの実現に向けて、主体的な追究活動を行い、分かる喜びやできる喜びを味わう生徒
・分かる喜びやできる喜びを味わうことで、「もっと知りたい」「もっとできるようになりたい」「新たな疑問を調べたい」という思いをもち、その思いの実現に向けて動き出す生徒
▼研究の方法
(1)生徒の探究心を喚起する魅力ある教材の開発と教材提示の工夫
(2)問題解決型学習過程の重視
(3)教科の特色を生かした活動
(4)かかわり合いと学び合いの充実
(5)振り返りの場の充実
(6)探究ノートの活用
授業で疑問に感じたことや、さらに追究したいこと、興味や関心のあることを家庭で調べ、まとめる学習を保障し、生徒の探究心を育むために「探究ノート」による学習を奨励している。
▼実践 3年理科「ブランコはなぜこげるのか」
「ブランコを立ちこぎするときに、膝を伸ばしたり曲げたりするのはなぜだろう」という学習問題で、追究を深めていった。
生徒Aは、単元の始めは、膝を曲げたり伸ばしたりする理由を「勢いをつけるため」と記述していた。MD法(班の代表者が、他の班を回りながら自分たちの班で練り上げた考えを説明する。聞いている生徒は、その考えに対して質問をしたり、自分たちの考えを伝えたりしながら考えを深めていく方法)によるかかわり合いでは、生徒Aはエネルギーの視点はもっていなかった。
しかし、その後のクラス全体での話し合いで、「重心の移動の意見を聞いて、勢いの正体は運動エネルギーの増加だと感じたので、勢いと運動エネルギーは同じだと思います」と発言することができた。
そして、授業の振り返りに、「B君の班の意見のエネルギーについての説明を聞いて、なるほどと思いました。重心の移動ということが出てきて、エネルギーが移り変わるということに納得しました。エネルギーの移り変わりで勢いがつくと思いました」と記述した。このことから学び合いを通して、生徒が自分の考えと友達の考えとのつながりを意識し考えを深めることができた。
▼まとめ
今後も、教師自身が教材研究を深め、生徒にとって魅力的で、分かる喜び、できる喜びを味わう授業づくりに努めたい。そして、生徒の探究心を育みたい。
(文責・浅田敏宏教務主任)
本校/℡0566(24)1038。URL=http://www.city.kariya.aichi.jp/school/ganchu/top.html