【連載】教師の“4ぢから”を高める 12 つながる力② 教育相談

文教大学教育学部教授 会沢信彦

「つなが(げ)る力」で忘れてはならないのは、教師と保護者とのつながりです。一時期はやった「モンスターペアレント」という言葉がすっかりなりを潜めたのは、教師が保護者と良好な関係を築く重要性が教師間で当然に理解されるようになったからにほかなりません。

ここ10年ほど、保護者対応をテーマにした、教師向けの本や雑誌の特集が数多く出版されてきました。「学校問題解決サポートセンター」を開設した東京都教育委員会をはじめ、この課題に積極的に取り組もうとする教育委員会も現れてきました。教員養成を仕事にする私も、このテーマには少なからぬ関心を寄せてきました。

このテーマで考察を深める中、分かったのは以下の2つです。

一つは、「保護者対応の特別な理論やスキルは存在しない」点です。「これを使えば保護者対応は全て解決」といった魔法のような理論やスキルは残念ながらありません。
では、保護者対応は何もなすすべがないのかといえば、それは間違いです。「保護者対応の基礎基本は教育相談やカウンセリングの基礎基本そのもの」だというのが、分かった点の2つ目です。

教育相談やカウンセリングで重視されるのは、傾聴、受容、共感などの態度です。保護者対応で最も大切なのも、保護者の言葉に耳を傾け、保護者の感情を受け止め、保護者の思いに寄り添うことです。そうする中で、保護者からの要望や苦情を無理難題に発展させずに、教師と保護者が相互理解を深められるのです。

これまで12回にわたって、「教師の4ぢから」についてお話ししてきました。では、どうすれば、「教師の4ぢから」を高められるのでしょうか。
「伝える力」「まとめる力」「ケアする力」「つなが(げ)る力」は、いずれもコミュニケーションに関わる力だと、お気付きと思います。筆者は、学校でのコミュニケーション自体が持つ教育力に焦点を当ててきたのが、カウンセリングをはじめとする教育相談だと考えています。

「つなが(げ)る力」だけでなく、「教師の4ぢから」を高める早道は、教育相談やカウンセリングについての学びを深めることだと確信しています。ぜひ、一緒に教育相談やカウンセリングを学んでいきましょう。

12回にわたるご愛読ありがとうございました。(おわり)

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