【連載】特別支援教育の根本 12 知的障害教育課程に特例

(学)大出学園支援学校若葉高等学園理事 清野佶成

 

知的障害児童生徒等の教育課程の特例について考えてみたい。

特別支援教育については、学校教育法施行規則第130条に、各教科・科目・領域の全部または一部を合わせて授業を行うことができる。第132条では、文科省大臣が認める場合には、特別の教育課程によることができる――と規定されている。

特に第130条2では、「特別支援学校の小学部、中学部又は高等部においては、知的障害である児童若しくは生徒又は複数の種類の障害に併せ有する児童若しくは生徒を教育する場合において特に必要があるときは、各教科、道徳、外国語活動、特別活動及び自立活動の全部又は一部について、合わせて授業を行うことができる」としている。

知的障害の特別支援学校では、児童生徒等の障害の状態、特性等に応じた教育を行うため、教科別の指導、教科を合わせた指導、領域・教科を合わせた指導を適切に組み合わせて指導している。

特別支援学校では、通常の学校にはない領域「自立活動」を指導している。これは、一人ひとりの児童生徒等が自立を目標にし、障害による学習上または生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度および習慣を養うのを目的とし、学校の教育活動全体を通じて行う指導と自立活動の時間における指導によって行われている。知的障害特別支援学校では、領域・教科を合わせた指導が多く行われている。その指導をあげると――

(1)日常生活

衣服の着脱、持ち物整理、洗面、手洗い、排泄、食事、清潔などの基本的生活習慣の指導。言葉づかい、あいさつ、礼儀作法、決まりを守る、時間を守るなど学校生活および社会生活をする上で必要な指導を行う。

(2)遊び

遊びの指導とは、不思議に思うかもしれない。だが、特別支援学校指導要領解説総則等編(幼児部、小学部、中学部)(平成21年、文部科学省)は、遊びを学習活動の中心に据えて取り組み、身体活動を活発にし、仲間とのかかわりを促し、意欲的な活動をはぐくみ、心身の発達を促していくもの、と説明している。取り組み方としては、自由遊びと課題遊び(砂遊び、水遊び等)と分けることができる。

(3)生活単元学習

生活単元学習とは、教科・領域を合わせた指導形態の代表的なものである。▽修学旅行▽遠足▽学習発表会▽学園祭などの行事や、▽冬の生活▽楽しい夏などの季節を1つのまとまりとして、単元で学習するもの。東京都教委(平成27年3月)の「各教科等を合わせた指導の充実」の報告書には、「生活上の目標を達成したり、課題を解決したりするために、一連の活動を組織的に経験することによって、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習するものである」としている。

(4)作業学習

作業学習とは、木工、窯業、農耕などの作業活動を学習活動の中心にすえ、児童生徒の働く力、生活する力を育てることを意図した学習である。単に職業や家庭を内容としたものではなく、各教科、道徳、特別活動、自立活動のさまざまな内容を総合して扱うものである。

(5)社会性の学習

都教委が、平成22年に都立知的障害特別支援学校に、自閉症の教育課程を導入し、各教科等を合わせた新しい指導形態を創設した。「社会性の学習」指導書(平成24年3月、都教委)によると、この学習は、自閉症の情報処理過程の特性に応じた指導方法を工夫することにより、人が、環境との関係の中で行動する力の基本を養うのをねらいとしている。

以上、知的障害特別支援学校について述べたが、知的障害特別支援学級の教育課程は、学校教育法施行規則第138条によって、特別の教育課程によることができる。それには、特別支援学校小学部、中学部学習指導要領を参考に、児童生徒の知的発達の程度や学校生活・社会生活への適応の状況および生活経験などを考え、適切な指導内容を選択して組織することが大切である。

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