【連載】飯田稔のすばらしき教員人生 94 校長の了承は・・・

■突然の電話で

「M校のYですが」と、突然の電話が校長室に入った。それは、年度末の人事異動内示の翌日であった。「4月から、お世話になるのでよろしくお願いします」とのあいさつ。教職経験3年の男性教師とは承知していたが、会ってもいないし顔も見たことのない人である。

あいさつはともかく、「転任なので、荷物を運びたい。本日放課後に運びたいのでよろしく」とだけ言って、電話は切れた。内示の翌日では、まだ人事は校内にも知られてない。荷物運びは、新聞辞令が発表されて、春休みになってのことでないか。それが、教職の世界の慣行であったはずだ。
その日の夕刻、Y教諭は荷物を運び込んできた。職員室前の廊下に山積みにして…。

■M校の校長は承知か

荷物を運んでいるY教諭を呼び止めて、本日していることを、M校の校長は承知かとたずねてみた。するとどうだろう。Y教諭の一存でしたこと、教頭に相談するでなし、校長の了承を得てしたことではない。

これは、校長の了承を得てからすること、教員は組織体の一員なのだからと語ってやると、Y教諭はびっくりした表情。そうしたものかと言いたいような表情である。当今、世間知らずで、およそ常識外のことをする人のことは知っていたが、発令前に個人の私的な荷物を運び込むとは予想外であった。

どんなことを(教頭に)相談した方がいいか。何は校長の了承を得る必要があるかを承知しておくことが大事ではないか。

■ちょっと耳打ちすれば

これは、各学校で先輩教員・同僚教員間で、耳打ちすれば済むことでなかったか。校長や教頭が、説示しなければならないことではあるまい。Y教諭は、同学年の先輩教員にたずねればよかったのだ。それをしないで、全て自分の一存で対処しようとするから、今回のようなことが起きてしまうのだ。ついでに申せば、きくことやたずねることを億劫がる世代(人)が増しているように思えてならない。いかがだろうか。

カルタの文句にも、「きくはいっときのはじ」とあるではないか。年度末異動期の方は、Y教諭と同様のことをなさらないように申し上げておきたい。

(元公立小学校長、千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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