【連載】こころ元気エクササイズ 若手教師編 第61回 学級や部活動の運営に 5つの欲求という視点

メンタルトレーナー 加藤史子

 

学級や部活動は、人が集まる集団ですので、そこには人の心が存在します。個々の心の中に生まれるモヤモヤや嫉妬心などが、カタチを変えながらあらゆる問題に発展していくのです。メンバーが抱える、目には見えない5つの欲求を意識すると、大きな問題を回避することができます。
そこで、どのように満たしていったらよいのかを示します。

(1)愛と所属の欲求=どちらかというと自分は好印象を持たれていると思えるのか、嫌われていると思えるのかで、大きな違いが生じます。無意識に嫌われていると思わせないように、見るときのまなざしや自然な笑顔に心を配ります。

(2)力の欲求=自分の存在価値を認められているとか、感謝の言葉によって、力の欲求は満たされます。言葉の端々にねぎらいの言葉や感謝を入れます。

(3)自由の欲求=強制されずに自らの判断や自主的な活動を認められていると感じることが大切。そのためには、生徒に、自分の活動や作業内容や作業順序などを選ばせるように工夫します。

(4)楽しみの欲求=適度なユーモアや笑い、楽しみがあることが大切です。また知ることや発見することは、本来、楽しいものでもあります。子どもたちに成長する喜びや達成する充実感、知りたいことを知る喜び、自分たちで試して発見する喜びを、意識してつくっていきます。

(5)生存の欲求=所属している学級やクラブ活動の場が安心安全な場であると思えるのは、とても大切です。そのためには、陰口や悪口を言わない・言われないことや、批判の数を減らすことです。

この5つの欲求が満たされていないときに問題行動が発生するので、目に見えないこれらの欲求が満たせる場であることが大切です。
中には、この5つの欲求が満たされない家庭環境の子どももいますから、そんなときは、心を開いて話を聴き、ジャッジせずに相手の気持ちに共感しましょう。

解決できなかったとしても、一緒に考えていくスタンスで関わっていくことが大切です。家庭の問題は、家庭で解決できない場合のほうが多いものです。解決できなくても子どもの心に寄り添い、いつでも話を聴いて受け止め、一緒に考えるよ、という姿勢が、子どもたちの心を支えます。

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