【連載】今なぜ?ピア・サポートか 4 トレーニング(1)信頼関係

静岡県立浜松江之島高校教諭 山口権治

 

ピア・サポート活動は、大きく2つに分かれています。「トレーニング」と「サポート活動」です。「トレーニング」は年間10回実施し、コミュニケーションスキルを習得します。そして、そのスキルを生かしてサポート活動を行うのです。

今回から4回にわたり、ピア・サポート・トレーニングの具体的な内容をまとめていきます。

なお全10回のトレーニングを通じて、参加者が安心して参加できるよう、(1)他者を批判したり、責めたりしない(他者尊重)(2)自分の言いたいことは伝えるが、言いたくないことは話さなくて良い(自己尊重)(3)ここで聞いた話は他では言わない(守秘義務)の3つのルールを課しています。

全10回の幕開けとなる初回のトレーニングでは、これから行うトレーニングを円滑に進めていくために、ワークを通じて参加者同士の交流を深め、良好な人間関係を築くワークを行います。

初回トレーニングのプログラムは「バースデイライン」「自己紹介」「質問じゃんけん」「他己紹介」「ホメホメワーク」「トラストウォーク」の6つで構成します。

まずアイス・ブレイキングとして、「バースデイライン」を行います。これは、参加者に、会話をせずに誕生日順に並び直してもらうものです。同じ誕生日の生徒が何組か出る場合があり、そのときは互いに驚くとともに、自然に拍手が湧き、和やかな雰囲気になります。

参加者の緊張がほぐれたところで、最初のワークとなる「自己紹介」を互いにしてもらいます。続いて「質問じゃんけん」をします。このワークは、じゃんけんをして勝った人が負けた人に質問するというものです。ただし、もしも答えたくない質問を受けた場合には、「パス」と言って答えなくても済むのを、事前に伝えておきます。続いて、近くのペア同士で4人グループになってもらい、ペアの一方が、もう一方を他の2人に紹介する「他己紹介」を行います。

全員の紹介が終わると、今度は1人のメンバーの良い点を、他の3人が一言ずつほめていきます。筆者はこれまで何度かこのワークを行ってきましたが、毎回、ほめられた人の笑顔が非常に印象に残っています。

目隠しした人が相手を信頼し黙って歩く「トラストウォーク」
目隠しした人が相手を信頼し黙って歩く「トラストウォーク」

そして、締めくくりのワークとして「トラストウォーク」を行います。このワークは、人を信頼する/人から信頼される体験をすることによって、信頼するむずかしさや信頼される心地よさに気付いてもらうのがねらいです。ペアを組み、1人が目隠しをして、もう一方のパートナーがエスコートする形で、校舎内を歩いてもらいます。その際、会話は一切禁止します。ルートは、校舎内の1階と2階を行き来するというもので、役割を交代して行います。
最後に、振り返りとしてアンケートに記入してもらい、トレーニングは終了となります。

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