【連載】教師のためのセルフコーチング 3 システマチックに行動

静岡県立浜松江之島高校教諭 山口権治

 

「行動に至るまでのプロセスを、システマチックに行う」それが、セルフコーチングを学ぶ意味です。

通常、「コーチング」といえば、自分以外にコーチがいて、そのコーチが、自分を導いてくれます。しかしセルフコーチングでは、自分以外のコーチはいません。自分自身が、自分のコーチにならなくてはならないのです。

別の表現をすれば、もう1人の自分を、自分の中にもつということです。多くの人は、セルフコーチングを学ばずとも、自分で自分と対話をして、進む道を決めているものです。しかし、それをシステマチックにやると、ぶれが生じませんし、ゴールまで迷うことも少なくなるのです。

具体的には、行動に移す前に、次のように考えるようにします。

第1のステップは、「やりたいことを決める」です。念のためにいうと、「やらなくてはならないこと」ではありません。あくまで、自分が心から望むゴールを決めるようにします。

できれば、ゴールをしっかりとイメージするとよいでしょう。もちろん、短期的なゴールの場合はイメージしやすいですが、遠い未来ほど、イメージしにくくなります。実は、ぼんやりとしたイメージでもかまいません。遠い未来の場合も、イメージをするよう心がけることが大切になります。

第2のステップは、「今あるべき姿を強くイメージすること」です。この作業は、ゴールをぼんやりとでもよいのでイメージした後で行います。

例えば、1年後の3月にすばらしい学級をつくっているとして、「では、今の学級の現状はどうなっていないといけないのか」を考えるようにするのです。もし、1年度に、全員が進んで発表を行える状態になっているのをゴールとするなら、現在の学級では、どうなっていないといけないのかを考えます。未来のゴールを思い描きつつ、今あるべき姿を強くイメージするのです。

第3ステップは、「手立ての決定」です。未来のゴールを頭に描きつつ、今のあるべき姿を考えれば、きっと、未来と現状とのギャップに気付くはずです。すると、今の現状を何とかしたいという思いがわいてきます。そうすれば、いろいろな方策が頭に浮かんでくるはずです。このステップでは、できるだけ多様な方策を考え出すとよいでしょう。

第4ステップは、「実行する」です。数ある手立ての中で、よいと思えるものから順に試していきます。ここでのポイントは、「直ちに実行する」ということです。実行してみてだめなら、別の手立てを実行すればよいのです。一番だめなのが、なかなか実行しないで、時間だけが過ぎていくことです。

第5ステップは、「振り返る」です。実行してみて、ゴールに近づいたかどうかを確認し、近づいていれば、さらにその手立てに力を入れたり、ゴールをより高いものにしたりします。近づいていないのなら、ゴール設定や、手立ての設定などを振り返ります。そして、軌道修正して、また歩みを続けるわけです。

このような考え方を身に付ければ、望ましい行動ができ、ゴールへの到達が早くなるはずです。

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