【連載】学び合いで実現するアクティブ・ラーニング 第3回 源流を探れば真意が分かる

上越教育大学教職大学院教授 西川純

 

先月、「ある数学の授業がアクティブ・ラーニングになっているか否かを判断する方法は、授業の最後に『今の授業での君らの行動は人間的に正しいだろうか?』と問える授業なのです」と書きました。多くの方には、にわかには信じられないと思います。しかし、アクティブ・ラーニングの源流は何かを探れば、その真意が分かります。

アクティブ・ラーニングの源流は、経団連が発表した「産業界の求める人材像と大学教育への期待に関するアンケート結果」(平成23年1月18日)です。それを受けて、経済同友会が平成25年4月2日に発表した「これからの企業・社会が求める人材像と大学への期待」では、大学教育に関して、「アクティブ・ラーニングの導入によるコミュニケーション能力の向上」「様々な社会活動体験の増加:留学、インターンシップ、ボランティア」「学生の能動的な学びによる学修時間の拡充」を求めています。

教育再生実行会議は平成25年5月28日に、第三次提言「これからの大学教育等の在り方について」を出しました。しかし、それに対応して平成27年度予算に、大学教育再生加速プログラムにアクティブ・ラーニングを実施する大学を支援する予算を立てました。

経済産業界の提言、教育再生実行会議の提言、中央教育審議会の答申の文章を読むと、そこには「経済産業界→教育再生実行会議→中央教育審議会」の流れがハッキリと読み取ることができます。少なくとも、ここであげた文章は、ぜひ読まれるのを強く勧めます。ネットで検索すれば、すぐにヒットします。

中央教育審議会の答申、学習指導要領の諮問にアクティブ・ラーニングという言葉があげられましたが、教育関係者は知りませんでした。だから、最初に目にしたとき、「何?」というのが大方の反応だったと思います。しかし、その言葉はそれより前に経済界で使われていた言葉なのです。

企業が欲しい人材はチームとして働ける人間です。能力があっても、その能力を他の人と共有できないならば使えない人間です。そう考えてみれば、「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る」は建前ではないと分かります。アクティブな人とは「大人」なのです。

付記=このあたりに関しては、『アクティブ・ラーニング入門』(明治図書)、『すぐわかる!できる!アクティブ・ラーニング』(学陽書房)をご覧ください。

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