【連載】新聞学習とアクティブ・ラーニング 1 受身から積極的な学びへ

東京都立青山高校主幹教諭 本杉宏志

 

先日、この春から社会人になる教え子たちとの同窓会がありました。「先生、お久しぶりです。4月から○○会社に就職することになりました。新聞もちゃんと読んでいますよ」「私も、新聞読んでますし、選挙も行ってます」教え子たちからうれしい挨拶を受けました。

私は「新聞を読めるカッコイイ高校生になろう」「新聞を読んで選挙権を無駄にしない有権者になろう」をキャッチコピーに、NIE(「教育に新聞を」)を実践しています。教え子たちは高校の授業で、私が話していたことを実践してくれていたのです。

私は主に、日本史を担当していますが、日中関係や日韓関係、沖縄問題など日本史の授業においても、新聞は有効な教材になります。授業で学んだ内容が現在とどうつながっているのか、その答えを新聞が教えてくれるからです。

生徒たちに歴史の授業のイメージを聞くと、「また暗記か」とか「先生が板書したことをただノートに写して、説明を聞くだけの授業」と言う生徒がかなりいます。しかし、今求められている歴史の授業はそんなものではありません。「今につながる歴史」の授業なのです。まさしく「温故知新」、故きを温ね新しきを知るです。

「へー、そんなことがあったのか」「だから、現在こうなっているんだ」「この出来事にはこういう段階があったのか」といったように、生徒の興味・関心を引き出し、歴史の学びを持続させていく授業が求められていると思うのです。

そのような授業をするためには、どうしたらよいでしょうか。今までのような、どちらかというと「受け身」の授業では生徒の歴史の学びは持続しません。「受け身」の授業から生徒が主体的に学ぶ授業へと変える必要があります。そのための手段として「アクティブ・ラーニング」型の授業が求められているのではないかと思います。

そして、そのような授業をする上で有効な教材のひとつに新聞があるのです。現在起こっている「北方領土の問題」や「沖縄の基地問題」などに歴史的背景があるように、歴史を知らなくては「今」を読み解けません。教科書と新聞を併用して「今につながる歴史」の授業が展開できると思います。

新聞の効用は、それだけではありません。生徒が新聞を読むようになれば、新聞は「新しい出会い」を生徒に提供してくれます。紙面をめくれば、そこにはいろいろな情報が掲載されています。今まで知らなかったことや興味・関心がなかったことに目がいくかもしれません。新聞記事をきっかけに、図書館やインターネットなどでさらに調べて学習を進めていく生徒もでてきます。

こうして、社会の動きや世の中に興味・関心をもった生徒たちは、選挙権を無駄にしない有権者になっていくことでしょう。

それでは、授業や学校で新聞を、具体的にどのように活用していったらよいのでしょうか。今までのNIE実践例や失敗談などもふまえながら、今後、毎月1回、連載していきます。次回の予定は「NIE実践10のヒント」がテーマです。

本杉宏志(もとすぎ・ひろし)主幹教諭=全国高等学校NIE研究会常任理事、日本新聞協会NIEアドバイザー

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