【連載】教育のユニバーサルデザインにチャレンジ 26 周囲にアプローチする② 気にしすぎる子 その1

星槎大学准教授、日本授業UD学会湘南支部顧問 阿部利彦

 

先生方が気になる子に関わっている様子を見て、「どうしてあの子だけ特別扱いなんだ」と思っている子どもがいないか、という学級の人的環境に対するアセスメントを忘れてはいけません。そして、問題行動がクラスメートの態度や言葉かけによって、より激しくなるのを踏まえ、クラスの人的環境を整える手立てを検討していく必要があります。

1.問題行動を真似する子とは

発達が気になる子がクラスで離席してしまう、先生の教材を勝手にいじってしまう、机の上に立ってしまう、などの行動を繰り返していると、「楽しそうだな」「私もやりたいな」という気持ちがわいてくるのは予想できると思います。でも、実際に行動に移す子はそう多くはないでしょう。

模倣犯の子どもたちは、そういう気持ちが抑えられなくなった子どもたちです。特に低学年の場合、1人が真似をしはじめると「ぼくも」「私も」と、その行動が広がっていくスピードは大変速いものです。

模倣犯タイプは、クラスの中で、勉強が分からない、つまらない、と感じている、つまり授業への参加感の低い子どもたちがほとんどです。さらには幼児性が強く、「我慢して取り組む」「集中して最後までやりきる」との耐性が育っていない。さらに、生活の中で生活のスキルや学習のスキルを十分獲得できていないために、誰かが楽しそうにしているとすぐにつられて行動してしまうのです。

2.わざと刺激する子とは

興奮しやすい子をからかって怒らせたり、「ちょーうける」などとはやしたてながら、うまく問題行動をとらせる子どもたち、それが天敵タイプの子です。

彼らは模倣犯タイプに比べると、学習の理解にはあまり問題がありません。やる気が出ているときには、飲み込みも速いので、先生方も教科学習で困る場合は少ないかもしれません。

ただし、とにかく人の失敗を鋭くキャッチし、「よく見つけるな」と大人も驚くほどです。またクラスでとにかくうけるのが楽しみで、興奮しやすい子を「いじる」ことで自分のポジションを見つけているような子どもたちなのです。

思ったことはすぐに口に出し、また先生が注意すると頭をフル回転させて言い訳を連発してきます。

しかし、彼らはそう大物の悪といった印象は薄く、普段はむしろ愛嬌がある。先生に取り入ろうという部分もある子どもたちで、わざと刺激する、からかう行動は、次号で述べる「影の司令塔」の影響を受けていることもよくあります。

*参考文献『通常学級のユニバーサルデザイン プランZERO』阿部利彦、東洋館出版、2014

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