【連載】こころ元気エクササイズ 若手教師編 第63回 幸せになる暗示をかける

メンタルトレーナー 加藤史子

 

モタモタではなくテキパキで

「暗示」という言葉は一般に使われていますが、正しい使い方を理解している人は少ないのかもしれません。「ピンク色の象は絶対に想像してはいけません」と言ったとき、頭の中にはピンク色の象が想起されてしまうように、こちらの意図としてはやめてほしいことなどを伝えるときには、注意しないと逆の方向の暗示がかかってしまうことになります。

例えば、「モタモタするな」「グズグズするな」と伝えると、無意識下には「モタモタする」「グズグズする」という暗示が伝えられます。もし、素早く動いてほしいと思うのであれば、言葉を変える必要があります。例えば、「テキパキ動こう」「ササッと終わらせて次の○○をしよう」「パパッと動けるかな?」「だんだん早く動けるかな?」などと伝える方が効果的は上がります。

暗示には、直接暗示、間接暗示、非言語による暗示があります。

直接暗示は「できるようになるよ」というように直接的に伝えるものです。間接暗示は「それができるようになった人はどんなふうにうれしいだろうね」というように、そのことが想起するような言葉を間接的に伝える方法です。示唆によって伝えられるため、想像の余地があり、自ずと自分にもっとも当てはまるように受け取ることができる暗示です。

間接暗示には他にも「はじめて逆上がりができたときのようなことかもしれないね」などのように、ときには何かに例えられる場合も間接暗示です。うまく使うと、子どもたちは本来の能力をフルに活用できるようになります。

学校で活用するなら、「明日、元気に笑顔で登校してきてくれたらうれしいです」「どんなふうにできるようになっていくんだろうね」「できたらすごくない?」「今日は何がうまくいきましたか?」「できないことが見つかった時は成長するチャンスなんだよ」などというように使うと、子どもたちの目はどんどん輝いていくでしょう。

非言語暗示は「よくやった!」を意味する指サインや喜びの笑顔などで伝えられます。目を輝かせて喜んだ表情を見せれば、「先生は喜んでくれている」「僕たちに期待してくれている」というような暗示が伝わります。逆に、しかめっ面、ため息、怒りモードなどは、「どうして言われたようにできないんだ」「お前らに教えても無駄だ」というような暗示が伝わってしまうということでもあるので、注意が必要です。腕組みも批判している暗示になるときがあります。

暗示はパワフルに相手に影響を与えていますので、自分の言語もリアクションも、子どもたちにとってどのような影響を与えているのかを考えながら、言葉を選んでいく必要があるでしょう。言葉もジェスチャーも効果的に活用しながら、子どもたちが幸せになる暗示を活用していきませんか。

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