【連載】教師のためのセルフコーチング 4 ゴールから今を考える

京都文教大学准教授 大前暁政

 

ゴールに向かうまでのステップの中で、「未来のゴールから今の自分を考える」ことが大切だといいました。
これはとても大切なステップですので、よくよく理解する必要があります。

ポイントの一つ目は、ゴールはぼんやりとでもよいということです。
1カ月先とか3カ月先ぐらいだと、ゴールは鮮明にイメージできるかもしれません。
しかし、半年先とか、1年後になると、ゴールのイメージは少しぼやけてくるはずです。
まして3年後や5年後、10年後だと、ゴールはかなりイメージしにくくなるでしょう。
遠い未来になればなるほど、ゴールはぼやけてしまいます。これは仕方ない面があります。自分のことであっても、正確に未来を予測するのは困難だからです。

大切なのは、ゴールはぼやけていてもよいということです。
こうなりたいとか、これが望ましいというゴールを、ぼんやりとでもよいので、頭の中でイメージすること自体が大切なのです。「こうなったらいいな」というイメージを、頭の中で、できる限り思い描いてみるのです。

ポイントの二つ目は、「未来のゴールに到達している自分をイメージしつつ、今の自分の姿を考える」ということです。

頭の中で「こうなったらいいな」という、未来のゴールを描けたとします。
そのゴールから現在を考えると、「今の自分」や「今の自分の周りの状況」はどうなっていなければいけないのかが、見えてきます。すると、自分のやるべきことに気付くことができるのです。

例えば、1年後に男女仲良くしている学級をイメージしたとしましょう。
だとしたら、今現在、男女で抵抗なくゲームぐらいはできるような状態にしておかなくてはなりません。そこで、男女で遊ぶ時間をつくるとか、男女で協力する活動を用意するなど、さまざまな手立てを考えつくことができます。

このように、今の自分のあるべき姿や、周りのあるべき状況が見えてきたら、自然と手立てが浮かぶはずです。こうしようとか、これをしておくとよいな、という方法に気付けるのです。
つまり、未来の望ましいゴールから見て、今あるべき姿を強くイメージすることで、セルフコーチングのステップは自動的に進んでいくわけです。

そのため、「未来のゴールから今の自分を考える」というステップは、セルフコーチングでは決定的に大切になります。未来のゴールに到達した自分の視点から見ると、今の自分がどのような姿であるべきなのかが決まるというわけです。そして、未来のゴールに向かって今できる最善手を探すことができるのです。
このように、未来のゴールを「ぼんやり」とでもよいのでイメージし、そして、今あるべき姿を「強く」イメージするとよいのです。

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