【連載】新聞学習とアクティブ・ラーニング 2 すごい実践は不必要

東京都立青山高校主幹教諭 本杉宏志

 

新聞を活用した学習(NIE)を始めるにあたって参考になる内容を、2回にわたって紹介します。

(1)無理せず、細く長く続けてください。

NIEを始めるにあたって、いろいろな実践事例を参考にする場合が多いか思います。でも、「すごい実践」をする必要はありません。

「すごい実践」より細く長く続けてください。ショートホームルームでちょっとした記事を紹介する。教室や廊下に記事を掲示する。そんな小さなことからでもいいのです。無理のない範囲で続けましょう。継続は力です。

(2)生の新聞を教室に持って行ってください。

信じられないかもしれませんが、新聞に触れたことがない児童生徒が結構います。私も新学期の冒頭に「この1週間、新聞に触れましたか」というアンケートをとるのですが、「はい」と答える生徒は数人なのです。デジタル新聞を読んでいるわけではありません。それだけ「新聞離れ」をしているのです。

そんな状況なので、ぜひ教室に生の紙新聞をもっていき、新聞の魅力を示してください。新聞がたくさん欲しいときは、新聞社などに相談してみましょう。教材価格で購入することもできます。

(3)新聞を比較してみましょう(事実はひとつなのに、どうして)。

新聞を活用した学習でもっとも面白いのは、やはり「新聞の読み比べ」ではないでしょうか。どの新聞も同じ内容が書いてあると思っている生徒が結構います。事実はひとつなのに、新聞によって異なる報道がなされるのです。

例えば、4月18日の朝刊1面では、熊本地方で起こった地震で避難している人の数を「見出し」にして地震の様子を報道しています。朝日は「熊本11万人避難」、日経は「熊本地震なお11万人避難」、読売は「熊本地震避難11万人」、産経は「熊本地震11万人避難」なのですが、毎日だけが「熊本地震20万人避難」という見出しです。「11万人」と「20万人」。何が違うのでしょうか。生徒に調べさせてみましょう。

こんなところから、いろいろな情報を比較することの大切さを教えられます。日中・日韓関係などに関しても、その報道スタンスには違いがあります。新聞を読み比べることにより、まさしく「多面的・多角的」に物事をみる目が養われるのではないでしょうか。「読み比べ」は家庭ではなかなかできません。ぜひ学校でやってみてください。

だからといって、私たちも新聞を全部読むことはできません。そんなときは、新聞の1面比較などをしてくれるテレビ番組は参考になります。

(4)各社のホームページを見てみましょう。

各新聞社のホームページを見てみましょう。新聞社によっては校種・教科別に授業で活用できる新聞記事が分類されていて、会員登録をすることにより、記事を無料でダウンロードできるところもあります。

このほかにも、新聞を活用した学習(NIE)を実践する上で参考になる点はあります。次回、この続きを紹介したいと思います。

(全国高等学校NIE研究会常任理事・日本新聞協会NIEアドバイザー)

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