【連載】飯田稔のすばらしき教員人生 98 管理職選考の季節

■50歳代に入って

50歳代に入ったとき、校長併任の多湖輝千葉大教授から、「公立小学校長に転出したら」と話があった。県の校長選考を受けることにしたが、論文については自信があった。日頃から、教育論文を書いているし、教育書も読み込んできたからだ。継続と蓄積が、教員の力となる。20歳代、30歳代からの、教職成果についての自己評価から対策を立てるといい。

面接では、「中教審の四六答申の要点と感想を述べること」が求められた。この答申は、よく読んであった。教育雑誌も取り上げているから、感想に加えて問題点まで言及した。面接の指導主事が苦笑していたが……。何をたずねられてもいいように、準備が必要だろう。そして、要点を押さえて論じることだ。

■参考書はぜひ必要

年を重ねて、教育書や教育雑誌は平素から読んでおこう。そうすれば、選考直前にあわてることはあるまい。と申しても、多忙な連日である。「忙しくて……」と、言いたくなるのも分かる。だが、言い訳は禁物である。選考を受けるとなったら、自分に合った参考書を用意するとよい。日頃から書店に通っているかどうかだ。これは、生活習慣のようなものか。

筆者が、現在も重宝している1冊を書いておく。『教育の最新事情がよくわかる本―これだけは知っておきたい―3』(教育開発研究所)。このシリーズの第3集、今年の6月刊である。掲載項目は約80で、いずれも今日の教育事情・問題・情報ばかりである。1項目は、約5分で読めるから知識整理に役立つ。

■分かりやすい解説が必要

分かりやすい解説は、活字離れの人が増している当今では、特に大事だろう。この本の執筆者は、その分野・項目についての専門家が担当。約50人の研究者(大学教授)が、この執筆を担っている。

本書を読みながら、筆者が50歳代の頃にこの本があったならまことに便利で、きっと選考前に利用しただろう。当時と比べれば、情報量は増しているし、情報利用の方法も多様になっている。それだけに、普段からの自らの職務と重ね合わせての準備、自ら学ぼうとする構えが大事になるはずだ。教職の世界で、活字離れほど恐ろしいことはあるまい。

(元公立小学校長、千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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