【連載】今なぜ?ピア・サポートか 7 トレーニング(4)問題解決①

静岡県立浜松江之島高校教諭 山口権治

 

活動を通じて構築された良好な人間関係に基づき、問題を抱えている友人の相談に乗って問題解決を支援する技法「問題解決スキル」を学び、トレーニングしましょう。

「問題解決スキル」では、話し手は問題を抱えており、それを解決したいと思っているという前提ですので、既習の事実・気持ちを正確に把握するのに加えて、「願い」を理解することが大切になります。

「問題解決のスキル」は、5つのステップで構成されますが、ここでは紙面の都合でステップ2までを説明します。

ステップ1は「課題の明確化」です。聞き手は傾聴スキルを用いて、起きている「事実」や話し手(当事者)の「感情」を把握し、解決すべき課題を明確にします。ここでは、聞き手には、困っている気持ちに共感するよう留意する必要があります。

ステップ2は「ゴールの明確化」です。当事者が「どうなりたいのか」を把握し、到達目標(ゴール)を明確にしていきます。

ステップ1では、困っていることや気になっていることを解決するために必要となる傾聴の復習をします。「私の困りごとリスト」を配布し、そのシートに困っていることや気になっていることを2分間で記入してもらいます。次に、10点満点で困り度が何点ぐらいかを書いてもらいます。それから、4人組を作り、1人が相談者役になり、困っていることを1分間話します。あとの3人はそれぞれ「要約して返す役(30秒)」「気持ちを伝え返す役(15秒)」「頑張っているところを返す役(15秒)」になります。これを役割を交代してそれぞれ行います。

本来は、聞き手が1人で全ての役割をこなすのですが、これを3人で分担してすることによって、それぞれの役割の持つ意味を意識することができます。

続いて、ステップ2では、ゴールを明確にするための質問技法が必要になります。そこで、「はい」「いいえ」で答える「閉じた質問」とそうでない「開かれた質問」を、プリントを使って説明します。この両者は、どちらかが良い・悪いというものではなく、例えば「ここへは1人で来たの?」という閉じた質問は、相手の考えや事実を明確にしたいときに使い、一方「担任の先生のことをどう思うの?」という開かれた質問は、相手からより多くの情報を引き出すときに使います。

さらに、ゴールを明確化するときのポイントを伝えます。そのポイントとは、最初から大きなゴールを設定するのではなく、スモールステップから入ることです。例えば、不登校の子どもに対して、「教室に入る」をゴールにするのではなく、「校門まで行くことができる」などの小さなゴール設定から入ることです。

次回はステップ3から説明します。

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