【連載】若手教師講座 授業づくり・学校づくり 第2回 授業づくり・学級づくりの基礎基本②

監修(一財)総合初等教育研究所 梶井貢
担当 練馬区立仲町小学校 嵐元秀

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学習ルール・しつけの仕方を学ぼう
グループ学習のよさを取り入れる

落ち着いた雰囲気の中で授業をしたいのですが、すぐにおしゃべりをしてしまう子が何人かいます。授業を聞いていない訳ではないのですが、独り言を大きな声で言ってしまうのです。その他にも、道具箱の中の物を取り出して触っている子や、「ノートを開いて」と指示しても、なかなか動き出さない子もいます。先輩のクラスを見ると、授業中の子どもの雰囲気が全然違います。どうしたら授業に集中して取り組むようになるでしょうか。

▽授業に集中できない、落ち着かない、特別支援を要する児童へどのように指導するか

 

ケース1
「授業中に大きな声で話す子や隣同士でおしゃべりをして話を聞いていない子が多くて、落ち着いた雰囲気の中で授業ができません。どうしたらおしゃべりが少なくなるでしょうか。」
対策を学ぼう
対策1 プランニングと役割分担をしっかり

おしゃべりには2つのタイプがあります。1つは、独り言を大きな声で言ってしまうタイプ。もう1つは、近くの席の子と話をしてしまうタイプです。タイプに応じて指導法も異なります。

独り言を大きな声で言ってしまう児童は、教師や子どもの発言に反応して声を出すことが多いものです。本人は、ちゃんと話を聞いて、授業に参加していると思っているので、自分の出す声が他の人の迷惑になっているという自覚がありません。ですから、まずは自覚させることが必要です。その子が一人で話し始めたら、「○○君は、ちゃんと話を聞いているね。何か言いたいことがあるの。みんなの前で言ってごらん」と話す場を与えてみましょう。「別に言いたいことはありません」と答えたら、「言いたいことがない時は、大きな声ではなくて小さい声で言う方がいいよ」と指導します。

こうした指導を何度もくり返すうちに、少しでも改善が見えたら、「最近独り言が少なくなったね」と声をかけます。落ち着かないタイプの子は、叱られることが多いので、褒められたいという気持ちが強いのです。小さな成長を認めて褒めることは、子どもの行動改善だけでなく、教師との関係強化にもつながります。

(1)よさを認める→(2)問題点を自覚させる→(3)適切な行動の仕方を指導する→(4)指導を繰り返す→(5)成長を認め、強化する

近くの席の子とすぐに話してしまうタイプの子が多い場合は、授業の初めにおしゃべりタイムを取ることがあります。その方がすっきりと授業に入れるのです。何を話しても自由にするときもありますが、「昨日の授業の感想」を伝え合うこともあります。前時の振り返りができるので、スムーズに授業に入れます。時間は30秒間くらいが適当です。短すぎると物足りないし、長すぎると収拾がつかなくなります。「やめ」の合図ですぐにやめられない子もいますが、その子たちを注意するよりも、すぐにやめた子を褒めるようにします。

けれども、できるだけ授業をすぐに始めたいと思う先生方の方が多いはずです。私は新しい学級を受け持ったら、4月の段階で「さみしがり屋はすぐしゃべる。甘えん坊はすぐ頼る」と話します。そして、さっと教科書を開く子、すぐに整列できる子、黙って教室移動のできる子を褒めるのです。p20160728_01

座席の位置も大切です。大声で独り言を言う子には、他者意識を高めたいので、教卓のすぐ前や教室全体が見える後方の隅がよいでしょう。おしゃべりの多い子は、黒板だけが視野に入る前方中央の席にすると集中力が高まります。

ケース2
「授業中、いつの間にか道具箱の中からホッチキスやコンパスを出して触っている子がいます。教科書をなかなか出さない子、ノートを開かない子もいます。どうすれば子どもが学習に集中するようになるでしょうか。」
対策を学ぼう
対策2 授業を活動的に変え、意欲を高める

物いじりをしてしまう子には、「幼児性の現れ」と「退屈からの逃避」の2つのパターンがあるようです。「やめなさい」と言っても、なかなか止まらないので、長い目で見て改善を促していくことが必要です。クラスの子どもに次のような話をすると、物いじりをすることが恥ずかしくなるようです。

小さな赤ちゃんはお母さんにくっついていると安心します。少し大きくなるとガラガラを持ちます。ガラガラはお母さんの代わりです。おしゃぶりはおっぱいの代わりです。さらに大きくなると、人形を持ちます。持っていると安心するのです。大人になっても、いつもタバコをくわえている人がいますね。もしかしたら、赤ちゃんが抜けていないのかもしれません。君たちの中にも、道具箱の中の物を出して触っている人がいますね。お母さんがいなくても寂しくないように、触っているのかもしれませんね。触っている子がいたら、「大丈夫、寂しくないよ」と話してあげて、やさしく見守ってあげましょう。

 

そして、その後も物いじりをしていたら、「あれ、まだ触ってるの」と声をかけ、自分から片づけることを促します。片づけたら「自分でしまえたね。赤ちゃんじゃなくなったね」と称賛します。教科書を出していない子がいたら、「授業が始まる前に教科書を出している子が〇人いました。素晴らしい」と話すといいでしょう。とにかくよい行動を褒めることです。教師が黒板に日付や課題を書いても、すぐにノートに書き始めない子がいます。そんな時は、書き終わった子に手を挙げさせ、「1人、2人、3人……」と数えていきます。急いでノートを開いて書くようになります。

落ち着かない子は、じっとしていることが苦手で、いつも動いていたいので、活動の場をどんどん増やしていくといいでしょう。手を挙げていない子も指名して発言させたり、全員で音読をしたりするなど、授業の中に声を出す場面を増やすことも効果的です。

また、一斉学習ばかりでなく、グループ学習やペア学習を取り入れることも集中力の向上につながります。この子たちにとって、「聞く」「読む」という受信型の活動は、退屈なのです。「話す」「書く」といった発信型の活動を取り入れることで、学習している実感が生まれ、学習意欲が高まっていきます。

教師の話し方を変えることも、集中力を高めます。大事なところはゆっくりと話したり、わざと小さな声で話したりすると、子どもの視線が集まります。声のトーンを落とすのも効果的です。

「教師が変われば子どもが変わる」という言葉があります。教師自身が自分の授業を振り返って改善することも、遠回りのようでいて子どもを変える近道かもしれません。

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こんな悩みがあります 学級づくり
当番活動、係活動を円滑に進める

係は学級を楽しくするためのもの、当番はその仕事をしなければ学級が困るものだと先輩から教わりました。係や当番は、どうやって決めたらいいのでしょうか。また、どうすれば責任をもって活動するようになるでしょうか。

ケース3
「当番を決めても、なかなか責任をもってするようになりません。仕事をしたのかしていないのかが分かりにくいので、さぼってしまいがちのようです。」
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対策3 当番は一人一役、毎日評価

当番活動には、そうじ当番、給食当番の他に黒板、保健、くばりなどの当番があります。掃除や給食はグループで行いますが、黒板、保健などの当番は一人一役で行うと責任感が高まります。

まずは子どもと一緒に相談しながら、全員分の仕事を考えます。くばり当番のように仕事量の多い当番は、2~3人で担当させます。初めのうちは一生懸命に働く子も、しばらくたつとさぼり気味になることがあります。毎週役割を変えるようにすると飽きずに行えます。

誰が何の当番をしているかは、ホワイトボードに貼っておくとひと目で分かって便利です。
次のようなシステムで行うと自分の役割を責任もって行うようになります。p20160728_01-2

(1)自分の仕事を終えたら担任に報告に来る。
(2)担任は、握手をして「ありがとう」と言いながら「当番終了マグネット」を渡す。
(3)児童は当番表の自分の名前の上にマグネットを貼る。
(4)翌日の朝の会で、マグネットの貼っていない児童を、発表当番の子が発表する。
(5)その後、マグネット外し当番の子がマグネットを外して所定の場所に戻す。
(6)翌週は、当番を一つずつずらし、全員がさまざまな活動を経験できるようにする。
ケース4
「係活動を決めた当初は活発に活動していましたが、しばらくたつと活動しない係が出てきました。どうすれば、活性化していくでしょうか。」
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対策4 時間、場所、物を与えよう

係活動は、子どもの自主的、自発的、創造的な活動なので、教師が「やりなさい」と言ってさせることは好ましくありません。けれども、放っておくと活動が持続しないことも事実です。

クイズ係は火曜の給食中にクイズを出す、遊び係は木曜の中休みにクラス遊びをするといった具合に、活動計画を考えるときに「いつ活動するのか」を明記するようにすると活動が持続しやすくなります。中には、新聞係のように、打ち合わせに時間がかかる係もあります。2週間に一度くらい、給食を係のメンバーで食べてはどうでしょうか。打ち合わせの時間が確保できて、係活動が活性化します。

また、新聞係、イラスト係などの係ごとに教室の壁面スペースを割り当てておくのも、やる気が高まります。何も貼っていないことが恥ずかしく思えてくるようです。係活動用に画用紙などの紙類、マジックなどのペン類をいつでも自由に使えるように常備しておくことも大切です。「先生、○○を貸してください」と自分から言いに来るのは、意欲の高い子だけです。

係を決めた後に、違う活動をやりたくなったという子もいます。そこで、「係を移ったり、新しく作ったりしてもよい」というルールを作ります。係をころころと変えさせたくないならば、「転職は1回まで」としてもいいでしょう。

そして、2週間に一度程度の割合で、子ども同士で評価をさせます。学級を楽しくするために頑張っているかどうかを考え、手を挙げさせるのです。半分以上の子の手が挙がったら合格です。合格した係には、活動計画表にシールを貼っていくと励みになります。

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