【連載】特別支援教育の根本 15 病弱児教育は医療との関係が重要

(学)大出学園支援学校若葉高等学園理事 清野佶成

 

病弱の特別支援教育について述べる。

そもそも病弱(身体虚弱も含む)を障害とする考え方に疑問を持つかもしれない。しかし、障害を生活の困難と捉えるならば、学齢期の児童生徒にとって、病弱は学校生活の困難になりうる。社会福祉では、心臓機能障害、じん臓機能障害、呼吸機能障害、ぼうこうまたは直腸の機能の機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害を身体障害、精神疾患は、精神障害と捉えている。

病気には急性と慢性の疾患があり、適切な治療を受ければ、短期間に完治する場合が多いかもしれない。そうすれば、学校教育にそんなに問題がないかもしれない。医学の進歩に伴い、長期入院が短期入院で済み、退院後に自宅から通院で治療が可能になるケースが多くある。

しかし、短期間であっても学齢期に学校教育が十分に受けられない事態は、大変な障害となる。文部科学省は「病弱とは、慢性疾患のため継続して医療や生活規制を必要とする状態。身体虚弱とは、病気にかかりやすいため継続して生活規制を必要とする状態をいいます」としている。

学校教育法施行令第22条の3の特別支援学校の対象とする障害の程度では、病弱者について、次のように述べている。

1.慢性の呼吸疾患、腎臓疾患および神経疾患、悪性新生物その他疾患の状態が継続して医療
または生活規制を必要とする程度のもの

2.身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度のもの

特別支援学校の就学基準の見直しが、平成14年4月24日付14文科初第148号によって、「6ヶ月以上の医療または生活規制が必要」が「継続して」になり、これまで「6ヶ月以上の医療または生活規制が必要」との医師の診断がでない病弱児が教育を受けられるようになった。

また短期入院ばかりでなく、入退院を繰り返したり、特別支援学校の対象の病弱者が、安全に過ごすことができる条件が整えば通常の小・中学校に就学することが可能となり、柔軟な就学となった。

病弱児の教育は、いかに医療との関係を持つかが重要である。近年、医学や科学技術などの発達によって入院しなくても通院で治療が可能となった。その一方で、少子化によって病院の小児科病棟の縮小や閉鎖が起こっている。いまだに教育よりも治療優先の考えがあり、病弱教育を受けずに普通学校に学籍を置いたまま、療養生活をおくっている場合がある。安心して治療を受けながら教育を受けられる環境づくりをしていくことが、インクルーシブ教育構築に求めらている。

病弱児の疾患は、時代とともに変遷しており、昭和40年代は結核、その後、喘息、悪性新生物(小児がん)、自立神経失調等の心身症、腎炎、ネフローゼ症候群、筋ジストロフィー等である。

教育の場は、病院隣接型等の独立した都道府県立の特別支援学校、病院内の分校、分教室、市区町村立の小・中学校の分校、特別支援学級など多種多様な設置形態となっている。

例えば小児喘息の子は、昼は発作が起こらなければ、健康児と変わらない。しかし、深夜から明け方にかけて発作を起こすと、ゼーゼー、ヒューヒューと呼吸困難を起こし、寝られず、体調不良になり、授業に出られない。それにより、学習空白、遅れが起こる。またいつ発作が起こるかなどの不安、消極性、依存性、経験不足による社会性不足などが起こしやすい。

病弱教育は、病気等の障害の克服、学力の伸長、意欲の高揚などをし、児童生徒の自立、社会参加ができるようにすることである。

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